森保ジャパンの「戦略は序盤で破綻」 海外採点で最低評価となった2人は?

イラク戦の日本代表をブラジルメディアが採点【写真:ロイター】
イラク戦の日本代表をブラジルメディアが採点【写真:ロイター】

伊藤と森保監督にチーム最低となる「4.5」(10点満点)の評価

 森保一監督の率いる日本代表は1月19日、アジアカップ・グループリーグ第2節イラク戦で1-2と敗れた。国際Aマッチでは約10か月ぶりの敗戦になったが、ブラジルメディアは指揮官とフル出場した左SB(サイドバック)にチーム最低評価を与えている。

 森保ジャパンは初戦のベトナム戦からFW細谷真大、MF中村敬斗に替えてMF久保建英とFW浅野拓磨を先発に抜擢。序盤からトップ下に入った久保の起点からチャンスを窺うが、前半5分に失点。両サイドで攻めきれない展開のなかで、同アディショナルタイムに痛恨の2点目をイラクに与えてしまう。

 後半開始から、森保監督はDF谷口彰悟に代えてDF冨安健洋を投入。前線ではトップ下に南野拓実、左に伊東純也、右に久保と並びを変えて攻撃の活性化を図った。すると同11分、左サイドを崩し伊東から入ったグラウンダーのクロスに浅野が反応。身体を前に入れた状態で相手との接触があり倒され、一時はPK判定となる。しかしここでVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。オンフィールドレビューの結果、主審は先にボールに触れていた相手のファウルを取り消し、PKのチャンスは消えてしまった。

 その後、点が欲しい日本はFW上田綺世、MF堂安律、MF旗手怜央、FW前田大然など交代で打開を模索。すると後半アディショナルタイム3分、左のコーナーキックのチャンスを得ると、キッカーの旗手のファーサイドへのボールをキャプテンMF遠藤航がヘディングで押し込んでようやく1点を返す。残り時間で体力を消耗したイラク守備陣へ攻撃の圧を強めるも、日本はこれ以上得点を奪えず1-2で敗戦。同大会グループリーグでは1992年大会以来の黒星となった。

 ブラジルメディア「グローボ・エスポルチ」は、日本の出場選手と監督を10点満点で評価。チーム最低点の「4.5」は左SBの伊藤洋輝と指揮官の森保監督の2人となった。記事ではGKの後継者問題にも触れつつ、「同様に重要なのは左SBのポジションだ」と、伊藤についても見解を述べている。

「ヨーロッパでは高い評価を得ているにもかかわらず、依然として日本代表の弱点となっている。彼の前線での効率の悪さは、今日の日本の攻撃が低調だった要因の1つだ。ピッチ上では日本ワースト。数え切れないほどのチャンスを無駄にし、左サイドでサポートしようとしたクロスのほとんどを外した。守備でも劣勢で、2点目を決めたFWアイメン・フセインへのマークが遅れた」

 2失点目は、日本の右サイドで右SB菅原由勢が突破されたピンチから生まれた。守備のスライドが後手に回った部分もあり、前半から上下動を繰り返していた伊藤にとっても厳しい採点となっている。

 また森保監督の采配について「鈴木をゴールマウスに、伊藤を左SBに、浅野を前線にという采配は上手くいかず、最初の戦略は序盤で破綻した。前半の低調な出来から交代に手間取り、チームが同点ゴールを目指してより激しいプレッシャーをかけようとしたのは終盤になってからだった。この試合で枠を捉えたシュートはわずか2本。ワールドカップ(W杯)でコスタリカに敗れて以来、最悪のパフォーマンスだった」と、22年のカタールW杯でのコスタリカ戦を引き合いに采配の問題点を指摘していた。

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AFCアジアカップカタール2023
グループリーグ第3戦
日本代表 vs インドネシア代表
日時:1月24日(金)20時30分キックオフ
ゲスト:小野伸二
解説:槙野智章
現地リポート:佐藤寿人
実況:野村明弘
配信:DAZNにて独占ライブ配信
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