中村俊輔、“代名詞FK”は「1割にも満たないという意識」 築き上げた努力の賜物への思い「最後に残ったのがそれだった」

引退試合を迎えた中村俊輔【写真:徳原隆元】
引退試合を迎えた中村俊輔【写真:徳原隆元】

引退試合では直接FK3得点を含む6ゴールを挙げた

 元日本代表MF中村俊輔氏の引退試合が12月17日、ニッパツ三ツ沢球技場で行われた。中村は前半にYOKOHAMA FC FRIENDS、後半はJ-DREAMSの一員として出場。直接FKでの3得点を含む6得点の活躍を見せた。試合後の会見では「大事にしてきてよかった」と自身の代名詞だったFKについての思いを語った。

 現役引退から1年。その左足の正確性は健在だった。

 中村は前半6分、この試合の最初の直接FKから先制点を生み出した。壁を超えた中村のシュートはGK川口能活にセーブされたが、ボールはラインを割っていたとして得点が認められた。中村は「1点目は入ってないんじゃないかと思いますけど」と振り返っていたが、同40分、さらに後半23分にも直接FKを炸裂させた。

 J1で直接FKから歴代最多の24得点。磨き上げられた最大の武器であるセットプレーはUEFAチャンピオンズリーグの舞台でも歓喜の瞬間をもたらした。中村は試合後の会見で、この直接FKについてこう語っていた。

「FKは自分のプレーの中で1割にも満たないくらい。どこでボールを受けるのか、どういうコントロールするのかとか、ポジショニングとか、パスコースを見つけておくとか、他のプレーがいっぱいある中での1割にも満たないという意識でした。飛び道具にしか過ぎないものだったんですけど、すごく大事にしていて最後に残ったのがそれ(FK)だった。こだわったというか、大事にしてきて良かったなと思います」

 中村は引退後に古巣・横浜FCでコーチとなり、指導者としてのキャリアをスタートさせた。自身のようなセットプレーのスペシャリスト育成への期待も高まるなかで、「蹴り方はプロになってからあまり変わらないので難しい。でも意識を変えることはできると思うので、そのシチュエーションを練習場で作るのが大事。あとは責任を持たせること。そういう環境、場面を作り上げることはできる」とFKの指導では試行錯誤の最中だと語っていた。

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