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“脱イニエスタ”でチームに刺激「気が引き締まった」 武藤嘉紀が明かした神戸が「優勝できた理由」
武藤と酒井が「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」に出演
Jリーグで初優勝を果たしたヴィッセル神戸のFW武藤嘉紀、DF酒井高徳が、元日本代表DF内田篤人氏がホストを務めるスポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」に出演して、シーズン途中まで在籍していた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタについて語った。
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今シーズン、神戸は全員がハードワークをして、堅守速攻をベースに21勝利8分け5敗という数字を残し、リーグ初優勝を達成した。しかし、シーズン途中には、2018年夏から神戸に在籍していたキャプテンのイニエスタがクラブを退団している。2019年には天皇杯を優勝して、クラブに初のタイトルをもたらした世界的名手だが、昨年夏に吉田孝行監督が監督に就任してからは、出場機会が激減。シーズン途中の退団会見では「ずっと自分はここ(神戸)で引退する姿を想像してきました」と言い、「この数か月間も激しいトレーニングを重ね、試合でプレーしてチームに貢献するための準備はできているという感覚でやってきました。しかし、それぞれの歩む道が分かれ始め、監督の優先順位も違うところにあると感じ始めました」とコメントし、クラブを離れた。
以前は、イニエスタを中心としたスペイン1部バルセロナのようなパスサッカーを標榜していたクラブだが、吉田監督はその目指すスタイルとは異なる戦い方で初のタイトルを獲得。その点で今回のリーグ優勝は「脱イニエスタの成功」とも言える結果だ。
そんなイニエスタと神戸での最後の時間を過ごした元日本代表選手たちは、どのように彼を見ていたのか。酒井は「俺は5年(一緒に)やっているので。アンドレスからもらった知恵や知識、それはもちろんいっぱいあったと思います。存在は大きかったですけど」と得たものが多かったとしつつも、「ただチーム戦術が変わってきた時に、厳しい言い方をすると、海外でもどれだけうまくてもチーム(のやり方)に合っていない選手が出られないのはいっぱい見てきました。それはトッププレーヤーですけど仕方がない。そんなことはいろんなところで、いっぱいあることなので。アンドレスがというわけではなく、(やり方を変えたあとに)チームとして結果が出たことが、彼にとってあまりいいことではなかっただけだと思う」と、自身の考えを語った。
これを聞いた内田氏は「そこはチームにも響いたのかな? メッセージになったのかな? ちゃんと戦わないと出られないよ、という」と聞く。すると武藤が「それが一番、チームが優勝できた理由じゃないですかね」と言い、「アンドレスが(メンバーから)外れて『アンドレスが外れちゃうんだ』って。クラブの気が引き締まりましたし、本当に戦うこと、監督が求めることをしないと、そうなるよっていうふうになったので。若手もやっぱり貪欲じゃないですか? 『ここで戦うこと、走ることを一個一個積み重ねたら、出られるんだ』って。監督もそういう選手を若くても先発に抜擢したりして使うようになったんで、いい競争も生まれて、若手も刺激されたんだと思います」と、吉田監督がチーム全員を平等に見ていたことを明かした。
神戸というクラブに初タイトルをもたらしたイニエスタだが、リーグ優勝を達成したチームにも、確かな刺激を与えていたようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)