小野引退マッチの両チーム合同花道、“発起人”が判明 本人も驚き「見たことなかった」

小野伸二の笑顔は最後まで輝いていた【写真:(C) mm】
小野伸二の笑顔は最後まで輝いていた【写真:(C) mm】

札幌&浦和の選手が合同で花道を作り、タッチラインへ歩く小野を送り出す

 北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二が、12月3日のリーグ最終節、浦和レッズ戦を最後に現役生活を引退した。スタメン出場から前半途中交代となったが、その際の両チーム合同で作られた花道は札幌MF荒野拓馬の呼びかけで実現したという。

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 キャプテンマークを巻いた小野は浦和MF岩尾憲とのコイントスを行いキックオフのピッチへ。ファーストタッチでDF宮澤裕樹にパスを出して左のシャドーに入った。浮き球をワンタッチで味方につなぐプレーなどを見せながら前半19分、タイ代表MFスパチョークが交代出場の準備をするなかで、左45度付近でフリーキックのキッカーに。中央の味方に合わせようとしたがクリアされ、2次攻撃でもゴールに至らずプレーが切れた。そして前半22分に小野はスパチョークと交代。札幌と浦和の選手が合同で花道を作り、タッチラインへ歩く小野を送り出した。

 小野は試合後の引退会見のなかで、「日本のサッカー文化のなか、ああいう形で見送られるのは見たことがなかった。どういう形で札幌の選手たちがレッズの選手に声をかけたか分からないけど、ああいう形で見送ってもらえたのは幸せだった」と話していた。

 岩尾によると、この時に荒野から浦和の選手たちに向けて「できればみんな来てくれないか」という合図があったのだという。岩尾は「札幌の選手なので、自分たちから前に出て何かをするのも違うと思いますし、ただ、あのような良い手の引き方をしてくれたので、荒野選手に感謝しています。本当に日本サッカー界の歴史を作ってきて、誰もが知るような偉大な選手ですから、そういった選手のピッチに最後、いちサッカー人として、ピッチの上で送り出せるという瞬間もそうないと思います。そういう意味では荒野選手に感謝をしていますし、いい瞬間というか、素晴らしい瞬間だったと思います」と話していた。

 小野にとって浦和は、清水商業高校(当時名称)から1998年に入団してプロキャリアをスタートしたクラブ。オランダ移籍と帰国を経て、2006年にはリーグ優勝、07年にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を果たした。また、札幌には2014年加入で19年夏にFC琉球へ移籍したが、21年に再び加入してこの日を迎えた。

 それだけに「自分がプロ生活を始めたチームで、2度同じチームに在籍させてもらったのは浦和と札幌。そういう縁のあるなかでの最終戦で、20分ピッチに立てたのは幸せに感じる」と、小野は笑顔で話す。キャリアの最初と最後を過ごしたチームの後輩たちに見送られてピッチをあとにする光景は、見る者の心を温かくさせた。

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