小林の連続ゴール記録を止めた男

「吉田豊選手。対人がとにかく強いし、誰よりも一番ハードに当たってくる。かなり苦労させられました。スピードもあるので裏を取るのも難しい。足元に来たボールにはガツガツ来られたので、ほとんど前すら向かせてくれなかった」

　セカンドステージの序盤で7試合連続ゴールを決めていた小林は、8試合連続ゴールというJリーグの新記録にあと1ゴールと迫っていたが、第8節のサガン鳥栖戦で無得点に終わり、記録更新には至らなかた。その小林を完封した男こそ、完璧な守備を披露した吉田だった。

　川崎は24日に行われた天皇杯準々決勝でFC東京に競り勝ち、準決勝に駒を進めている。小林は、この試合で長期離脱からの復帰を果たした。

「CSでは力になれなかった。だから、天皇杯は自分がチームを助ける」

　これまで川崎の軸として稼働してきたFW大久保嘉人は今季限りでの退団を表明している。しかし、そう口にした小林の背中には、これからの川崎をけん引するエースとしてのプライドが垣間見えた。

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城福達也●文　text by Tatsuya Jofuku

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images