横浜FC対FC東京で「かなり危険」なタックルも…なぜイエロー提示? 「DOGSOも明らか」と専門家も疑問視

横浜FCとFC東京の危険プレーに注目(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】
横浜FCとFC東京の危険プレーに注目(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

Jリーグジャッジリプレイで前半早々のファウル場面を検証

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、10月21日のJ1第30節、横浜FCとFC東京の試合が取り上げられた。ここでは、決定的な得点機会阻止(DOGSO)がテーマになった。

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 前半11分に横浜FCはMFカプリーニが抜け出しかかったところで、相手MF小泉慶のファウルを受けた。山本雄大レフェリーは小泉にイエローカードを提示し、先立圭吾VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入もなかった。

 しかし、ファウルそのものが小泉の右足裏がカプリーニのふくらはぎに当たる危険性の高いものであり、ポジションと状況がDOGSOに該当する可能性も感じられる場面だった。進行役の桑原学アナウンサーからは、公式記録で小泉へのイエローカードは「反スポーツ的行為」により出され、大きなチャンスを潰すファウル(SPA)が理由と推測されることが紹介された。

 ゲスト出演の現役時代に松本山雅FCなどでプレーした田中隼磨氏は「DOGSO以前に危険なプレーだと思う。退場でもおかしくないというか、退場ですね。危険です。レフェリーはすぐにイエローカードを持っている。本当に目で見てイエローカードと判断したなら違うと思う」と、まずはファウルの危険性の部分で退場処分に該当すると意見を話した。そして、DOGSOか否かについては「カバーが間に合っているように見えるけれども、スライディングで、(カプリーニが)ボールを触っていればカバーに入れないのでDOGSOでもありますね」と、この要件でもレッドカードに該当すると話した。

 同じくゲスト出演した元日本代表の佐藤寿人氏は「かなり危険、ダーティーなタックルで大怪我をしてもおかしくないシーン。怪我につながっていなかったと思うので、それが幸いだと思う」と、タックルの危険性を指摘。「ここでコンタクトがなければカプリーニ選手は内側に持ち出してGKと1対1というシーンを想像できたので、色々な意味で赤(レッドカード)の対象でおかしくなかった。開始10分で、小泉選手がなぜこの判断をしなければいけなかったか」と、田中氏と同じ意見を話した。

元レフェリーの見解は「レッドカード&DOGSOも両方成立」

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、「僕の結論はいずれにせよレッドカード。著しく不正なプレー、DOGSOも両方とも成立していると思う」と、話した。そのうえで、元レフェリーの視点で山本レフェリーが判定に至った流れを「レフェリーからすると自分から離れていく、小泉選手の足は向かっていくのではなく離れていく方向。これはコンタクトをハッキリと見にくい。中の選手と(視野が)かぶったかもしれない。山本さんは右足でいったのは分かっているけど、ふくらはぎをヒットしたよりトリップ(引っ掛けた)のように見えたのではないか」と話す。

 そのうえで「副審に分かる可能性はあるが、はっきり確認できず確証が低く感じで主審の判断を考慮した可能性がある。VARはDOGSOよりタックルに見ているので、主審がイエローとしたら、これをレッドカードにするハッキリとした明白な間違いと言えないと判断したのではないか」と、副審やVARの判断も推測した。

 一方で、「日本サッカー協会(JFA)が著しく不正なプレーへの見解を示した時に、助走距離、勢いがあり、フライイングタックルで、ポイントオブコンタクトが高いか後方。これはドはまり。それを考えることができなかったか」と話し、「DOGSOも明らかで、どこまでVARがOKにしたか。現場もどう判断したか。タックルが当たった瞬間を見れば間に合わない。僕の中では100%のDOGSOが成立している。いずれにせよ、オンフィールドレビューをさせてレッドカードが妥当だったのではないか」と、VARが2つの判断をスルーしたことに問題提起していた。

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