南野拓実は「焦りがある」 10月シリーズ無得点…日本代表OBが“黒子役”へのシフトを推奨「あくまでチームのワンピース」【見解】

日本代表の南野拓実【写真:徳原隆元】
日本代表の南野拓実【写真:徳原隆元】

【専門家の目|栗原勇蔵】カタールW杯以来の代表復帰も10月シリーズはアピール不足

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング19位)は、10月17日に行われたチュニジア代表(同29位)との国際親善試合で2-0と勝利した。後半27分から途中出場したMF南野拓実(ASモナコ)に関して、元日本代表DF栗原勇蔵氏は10月シリーズ2試合を踏まえて、「どこか焦りがある」と指摘している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 10月13日のカナダ戦で4-1と快勝した日本は、チュニジア戦でスタメン7人を変更。前半43分にFW古橋亨梧のゴールでネットを揺らし、後半24分にはMF伊東純也(スタッド・ランス)が蹴り込んで2-0とリードを広げ、そのまま勝利を手にした。

 南野は伊東に代わって後半27分からピッチに立ち、南野がトップ下、久保が右サイドへ回る形でプレー(久保は同37分に交代)。短い出場時間でシュート2本を放ち、チャンスに絡むシーンもあった。

 トップ下で先発出場して後半38分までプレーしたカナダ戦を含めて、10月シリーズで2試合に出場した南野。昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)以来の代表復帰となったが、元日本代表DF栗原氏の目にはどのように映ったのか。

「南野はもう少し余裕を持ってやったら全然点を取れそうですけど、どこか焦りがある。
今は絶対に必要な存在ではなく、あくまでこのチームのワンピースでしかないと思います」

 ゴールという目に見えた結果を残せなかった南野だが、今の森保ジャパンのチーム状況も踏まえ、チャンスメイクに回るべきではないかと、栗原氏は提言する。

「今の日本代表には1人で仕掛けていける選手がいるので、どちらかと言うと、そういう選手と上手く融合したり、使える側の選手のほうが生きる。ただ、南野も自分で結果を出したいという思いがあるから、チャンスを潰しかねない。ゴールという結果が出ないがために、無理にシュートを打ったりして、リズムは崩れていってしまう。エゴが出すぎてしまっている気がするので、生き残っていくためには今はゴールではなく、アシストから考えてもいいと思います。強いチームはアシストとかのほうがフォーカスされますから。今はいくらでもいい選手がいる。調子が良ければ呼べばいいし、調子が良くない、コンディションが上がっていないんだったら呼ぶ必要は全くない」

 カタールW杯で悔しい思いをした南野は、再び厳しいポジション争いに挑むことになる。

栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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