ルヴァン杯で見せた意地 1Gの横浜FM水沼、VAR→得点取り消しは「勢いが付くきっかけになった」

横浜FMの水沼宏太【写真:徳原隆元】
横浜FMの水沼宏太【写真:徳原隆元】

ルヴァン杯準々決勝の第2戦で札幌を3-0で撃破、2戦合計5-3で準決勝へ進出

 Jリーグ・ルヴァンカップ(杯)準々決勝の第1戦で北海道コンサドーレ札幌に2-3で敗れていた横浜F・マリノスは、逆転でベスト4に進出するためには2点の差をつけて勝利しなければいけなかった。開始早々の2分、MF水沼宏太がMF吉尾海夏のスルーパスから抜け出して幸先良くゴールを挙げたかと思われたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の結果、オフサイドで取り消されてしまう。

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 重い雰囲気になってもおかしくなかったが、ゴールを取り消された張本人である水沼は、前向きだったようだ。「オフサイドにはなりましたけど、点が入ってスタジアムの雰囲気がこっちに来た感じがあったので、オフサイドだったけど良かったなと思います。あれでみんなの『さぁ、いくぞ!』という勢いが付くきっかけになったんじゃないかなと思うので、そういう意味では入らなかったけど、入ってよかったです」と、ゴールネットを揺らしたうえでノーゴールになったことに意味を感じていた。

 そして、その30分後には、吉尾とのパス交換からしっかり左足で先制点を決めた。シュートを打つ前、溜めを作ったように見えたが、その理由については「自分の歩幅が合わなかった」と説明し、「でも、遅れても早く振らずに1テンポ待って自分のタイミングで打てたのは冷静だったなと思います。最初のボールが入ったところで周りが見えて、自分のイメージ、感性を信じてちょっと浮かせて入っていくことができました。あれは(吉尾)海夏にすごく感謝したい。『置け!』って言いながら走って、良いボールを置いてくれたので」と、吉尾のアシストに感謝した。

 この日の水沼はゴールを決めた後には喜びを爆発させ、後半に入ると試合が切れた際にスタンドを煽るような姿が何度も見られた。プレーでも、点差をつけてからも、どん欲に次のゴールを狙い続けている。

「点差がどうなるかというのも分からないことも、もちろんありますが、自分たちのサッカーを貫きとおす意味では、3点、4点、5点と目指さないといけない。最近は、ここまですごい不甲斐ない試合をしていたので申し訳ない気持ちもあった。最後の最後に見に来てくださる人たちに楽しんで帰ってもらう意味でも、点をいっぱい決めるというか。最高の雰囲気だったので、ここで決めきることができれば『また来たいな』と思ってもらえる試合になるし、そういう意味でもゴールを目指すのが大事かなと思いました」

 札幌との準々決勝2連戦で、両試合とも1得点1アシストと活躍を見せた水沼は、「チームのプレースタイルがあって、そこに個々のプレースタイルがある。その組み合わせはあるけれど、自分が出た時にチャンスを生かすのがプロ選手にとって大事なこと。自分はチームの約束事を守りながらも、自分の感性は潰したくなかったので、自分の感覚でこの2試合できて、そのなかで結果を残せたのは大きなプラスだったと思います」と、胸を張った。

そして、「これからチームとしても戦っていくうえで競争もありますし、それぞれの選手がそれぞれの特徴を出していければ、チームとして上にあがっていけると思いますし、僕は僕らしくやっていくことでチームに貢献できればいい。最後に決めるのは監督なので、出たときに結果を出せるようにしっかり準備したい」と、リーグ戦とルヴァン杯の2つのタイトルの可能性を残しているチームでのさらなる貢献を見据えた。

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