J3リーグ乱闘騒ぎのジャッジ議論 相手引き倒し行為→無罪を疑問視「十分に懲戒罰に値する」

J3で起きた乱闘騒動に注目(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】
J3で起きた乱闘騒動に注目(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

松本山雅FC対愛媛FCで起きた乱闘騒動を「Jリーグジャッジリプレイ」で検証

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、7月1日のJ3第16節、松本山雅FC対愛媛FCの試合が取り上げられた。ここでは、試合中に起こった乱闘騒ぎについて取り上げられた。

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 前半30分、愛媛が攻め込んだ場面でMF矢田旭の仕掛けが松本MF安東輝に阻まれたところからの逆襲となり、FW菊井悠介がスピードアップしようとしたところで愛媛DF森脇良太が背後からファウルで倒した。西山貴生レフェリーは間髪入れずに森脇にイエローカードを提示したが、松本のFW村越凱光が激高。森脇を右腕で突き飛ばすようなアクションがあり、そこからは両チームがベンチの一部選手スタッフも交えて乱闘状態に。最終的には、愛媛は森脇に加えてFWベン・ダンカンにもイエローカード。松本は村越と武石康平コーチにレッドカードが提示された。

 川崎フロンターレなどでプレーした田中裕介氏は「最初に愛媛の選手が倒されてファウルなんじゃないかというところから始まっていると思うけれども、カウンターという形で森脇選手が止めにいっている。足を掛けにいってボールにはいっていないですよね。そのあとに森脇選手が何もなかったかのように帰るので、横にいた村越選手に火がついてしまった。仲間を削られてというシーンだと思うので、リスペクトもあまりなかったのが乱闘騒ぎにつながってしまったのかな」と、状況を分析していた。

 ベガルタ仙台などでプレーした鎌田次郎氏は「(森脇の)戦術的なファウルというのを村越選手が感じ取れずに突っかかってしまったのもあると思う。森脇選手はこういうの、うまいなと思いますね」とコメント。そして、最初のシーンからの流れで「これがファウルじゃないなら、という感じで愛媛の選手もいっていると思う」と話した。元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、矢田と安東の接触について「(安東の)ファウルかなと思いますね」と、起点となったプレーについて話した。

 その後の顛末について、のちに退場処分となる武石コーチが第4審判の高木良輔氏にタブレットを見せている場面があった。家本氏はこの行為について「懲戒罰の対象になる。(タブレットを見せる)プラス、何かを言った可能性があるのかなと思う」と話した。そして、この乱闘状態でのレフェリーの立ち回りについて「めちゃめちゃ難しい」とコメントしている。

レフェリーチームで整理した対応を評価も…

「大きな対立に入ると、この場合でも選手と当たって(落とした)イエローカードを拾おうとするから見えなくなってしまう。その間に打った、押した、蹴ったがあった場合は誰が監視するのかとなってしまう。できるだけこうなった時には群衆から離れるのがセオリー。すごく良かったのは落ち着いたあとにレフェリーチームで整理したうえでそれぞれ対応していたこと。ただ、映像で見る限りは(村越を引き倒すようなアクションがあった)愛媛の松田選手(FW松田力)のところも十分に懲戒罰に値すると思う。村越選手が退場になるのであれば、松田選手も少なくともイエローカード、もしかしたらレッドカード。レフェリーたちが見えていなかった、認識できなかったシーンで難しい」

 田中氏は「このシーンに関してはお互いに冷静さを欠いたに尽きると思う。終わったあとに見返せば、これが本当に良くないというのは冷静に考えればすぐに分かる」と話した。鎌田氏は森脇のようなファウルをする立場だった場合について「絶対にイエローをもらってしまうので、それを罰だと思って。相手選手にも基本的にはコミュニケーションを取ると思う。ごめんごめんと言いながらファウルをすることもありました」と話していた。

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