英国とスコットランドがFIFAに前代未聞の反抗 W杯予選“ポピーの問題”で楯突き波紋を呼ぶ

両チームの選手が赤いポピーの柄が描かれた腕章を付けてプレー

 ロシア・ワールドカップ欧州予選のグループF、イングランド対スコットランドの英国対決が現地11日に聖地ウェンブリーで行われた。試合はFWスタリッジのゴールなどでイングランドが3-0と快勝したが、それ以上に両チームの選手の腕に巻いたアームバンドが国際サッカー連盟(FIFA)への反抗の意志だとして波紋を呼んでいる。英衛星放送局「スカイ・スポーツ」が報じた。

 イングランドとスコットランドの選手たちは腕章を付けてプレーした。この腕章には赤いポピー(ヒナゲシ)の柄が描かれている。イギリスでは、20世紀初頭に発生した第一次世界大戦の停戦が結ばれた11月11日を「リメンブランス・デー(休戦記念日)」として、全土で戦没者を悼む。この動きはサッカーでも同様で、プレミアリーグでは11月になると各試合で追悼の意を示して赤いポピーを付けて試合に臨んでいる。

 しかし、FIFAは政治的、宗教的、商業的メッセージは認めておらず、ポピーも「条文に対して違反する」として事前にポピー着用を禁止すると発表していた。これに対してスコットランドサッカー協会のスチュワート・リーガン会長は「ポピーは戦争で命を落とした方々を追悼するもので、試合に着用するのはリスペクト以外の何物でもない」と反論。実際の試合では両国はFIFAに楯突く格好となった。

 試合前には黙祷も行われ、ウェンブリーのセンターサークルにはポピーの花輪が手向けられた。

 

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