湘南が名古屋の3冠を阻止!3点ビハインドからPK戦の末に絶対王者に逆転勝利

湘南が名古屋とのPK戦を制して決勝戦へ【写真:Futsal X / 河合 拓】
湘南が名古屋とのPK戦を制して決勝戦へ【写真:Futsal X / 河合 拓】

PK戦までもつれた激闘を制して、湘南が13大会ぶりに決勝進出

 JFA第28回全日本フットサル選手権大会は3月18日に準決勝を駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行い、第1試合では名古屋オーシャンズと湘南ベルマーレが対戦した。

 今シーズン、すでにリーグカップとリーグ優勝の2冠を獲得している名古屋が、立ち上がりから攻め込む展開となる。キックオフから、わずか38秒。コーナーキック(CK)からの攻撃でフットサルブラジル代表FPダルランが先制点を挙げた名古屋は、第1ピリオド3分にもCKからFP平田ネトアントニオマサノリが追加点を決め、一気にリードを広げた。

 名古屋を崩せない時間の続く湘南は、第1ピリオド9分にダルランとGK篠田龍馬の連携が合わなかったところから、FP高橋広大がゴールを決めて1点差に詰め寄る。ここから攻勢の時間を作ったが、日本代表FPオリベイラ・アルトゥールがイエローカード覚悟のファウルで攻撃を食い止めて、ゴールに迫らせない。

 第1ピリオド13分には、そのアルトゥールが、右サイドを突破したブラジル代表FPガブリエル・ペネジオからのパスを受けて1タッチシュートを決めて、再び2点差にリードを広げる。さらに平田がカウンターからGKフィウーザとの1対1を制し、この試合2点目を決めて第1ピリオドを4-1のスコアで折り返した。

 第2ピリオドも名古屋は立ち上がりに平田がCKからシュートを放つが、これはGKフィウーザがセーブ。反撃に出たい湘南だったが、第2ピリオド2分に前日の準々決勝で2ゴールを挙げていたFP内村俊太が、もともと痛めていた腰を打ってベンチへ退く。そのなかで3分にFP萩原真夏がエリア内でGKをかわして浮き球のシュートでゴールを狙ったが、ボールはクロスバーを叩いて得点にはつながらなかった。

 湘南にゴールをもたらしたのは、湘南のゴールを守るGKフィウーザだった。名古屋の選手たちにマークされて味方にパスが出せない状況のなか、自らボールを持ちあがってドリブル。右足を振り抜いて、FPさながらのゴールを決めて見せた。このゴールで流れは一気に湘南に傾く。

 フィジカルの強い名古屋の選手たちに強く守備に行っていた湘南だが、第2ピリオド11分という早い時間で5ファウルがたまり、プレッシングがかけにくい状況になる。それでも13分にはブラジル代表FPロドリゴが、ハーフウェーライン付近からミドルシュートをゴールに突き刺した。

 失点直後も湘南にチャンスを作られた名古屋のフエンテス監督はタイムアウトを取る。しかし第2ピリオド14分、ロドリゴからのパスを受けた内村が仕掛けてシュートを放つ。これがDFに当たって浮き上がり、GK篠田の頭上を越えてゴールに決まり、4-4の同点に追いついた。

名古屋と湘南の準決勝はPK戦までもつれる接戦に【写真:Futsal X / 河合 拓】
名古屋と湘南の準決勝はPK戦までもつれる接戦に【写真:Futsal X / 河合 拓】

湘南のパワープレーが奏功

 会場が湘南のホームアリーナのような雰囲気になり、距離のある位置からのシュートでゴールを重ねた湘南は、積極的に打っていく。残り2分39秒で湘南はタイムアウトを取り、ロドリゴをGKにしたパワープレーを開始する。累積ファウルは延長でも持ち越しになるため、一気に勝負をかけに行った形だ。

 この策が奏功する。ロドリゴのミドルシュートに対して、ゴール前でFP靏谷春人がゴールを決めてついに逆転した。この試合初めてリードを許した名古屋はパワープレーを開始。すると元スペイン代表FPアンドレシートがゴールを決めて、すぐに同点に追いつく。このまま40分では決着がつかずに試合は延長戦へ突入した。

 延長戦では名古屋がパワープレーをして、ボールを保持する展開になる。延長第1ピリオド2分にはGKフィウーザのパワープレー返しが名古屋のゴールマウスに飛んだが、アルトゥールとの交代でゴール前に戻ったGK篠田がしっかり抑えた。延長第2ピリオドからは湘南もパワープレーを再開。そして残り3分54秒、ロドリゴの放ったシュートがDFに当たってコースが変わりゴールに決まって湘南が6-5と再びリードした。

 このまま逃げ切りたい湘南だったが、延長第2ピリオド3分、パワープレーからダルランに強烈なシュートを決められて6-6と追いつかれる。名古屋はその後もパワープレーを続行。しかし決勝点は奪えずに勝負の行方はPK戦にもつれることになった。

 PK戦ではフィウーザがアルトゥールを止め、ダルランのシュートがクロスバーに嫌われる。4人が決めた湘南がPK戦を4-3で制して、13大会ぶり決勝進出を決めている。

(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)



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