「プロの鏡」「負けず嫌い」…FC東京10番・東慶悟が語るチームメイトたちの素顔

ルーキーイヤーの昨季、31試合に出場した松木玖生【写真:徳原隆元】
ルーキーイヤーの昨季、31試合に出場した松木玖生【写真:徳原隆元】

19歳の松木玖生は「負けず嫌い」

■松木玖生(MF/19歳/在籍2年目)
昨季J1成績:31試合(2433分間出場)・2得点

「あれだけ期待されて青森山田(高校)からやってきて、1年目から試合に出続けた。本人の中でどれくらいの点数か分からないですけど、1年目であれだけ出られるのは本当に凄いと思います。メンタル、メンタルとよく言われますけど、サッカーで言うメンタルはちょっと定義が曖昧なところがありますよね。強いと言っても何が強いの、と(笑)。彼はいろいろな感情を持っていて、プレッシャーもいろいろとあるだろうし、でも一緒にやっていて負けず嫌いであるということはすごく感じます。勝負の世界はそこが重要で、それがなくなると上手い選手でも消えていく。そこは19歳の玖生から学ぶことが多いですね。

 フリーキック(FK)も向上している? そうですね、自身で課題や武器を逆算しながらやっている。もう、可能性しかないですよね。うらやましく思います(笑)。一言、一言が取り上げられる立場になってきていいも悪いも注目されますけど、僕はチームメイトとしてサポートしていきたい。ともあれ、心強い選手ですし、ポジションは違いますが、ライバルとして負けないようにという気持ちがまた強くなる存在です」

■小泉慶(MF/27歳/新加入)
昨季J1成績:30試合(2621分間出場)・1得点1アシスト(鳥栖)

「まだあまり一緒に出かけたりもしていないので正直なところよくは分わからないところもありますけど、こうじゃないかなと思っているのは、すごく意識が高いということ。今日(取材当日)もいろいろ質問してきて。『慶悟くん、ジム行ったりしているんですか。ここ以外でもトレーニングしているんですか?』と訊いてきたりして、鳥栖では全体練習以外にトレーニングをする選手がいなくて、東京の選手が外部でやっていることに少々驚いている感じでした。そのように知らないことを知ろうとする向上心があり、素直でサッカーに対しても真面目なので、あまり弾けたりするようなタイプでもないと思います。サッカー選手って、プレーに性格が出るじゃないですか。黙々と取り組む(小泉)慶はプレースタイル的にもいぶし銀で、感情の波が少ない気がします」

■仲川輝人(FW/30歳/新加入)
昨季J1成績:31試合(1472分間出場)・7得点6アシスト(横浜FM)

「やっぱり『仲川タイム』というか、時間の使い方には独特なものを感じます。でも、特に違和感はないですけどね(笑)。いいんじゃないですか、結果を残していたら。この世界、どんなことをしていても結果を残す選手が正しい。もしゴールを決めていなければ、そんなにゆっくり時間を使わないようにと諭されるかもしれませんが、特に、行動に害があるわけでもないですし。面白いヤツだな、と思います。

 サッカーの面で言うと、昨シーズンにはなかったアクセントになっていて、面白い化学反応が起きていると思います。勝者のメンタルを持ち、チャンピオンとはどういうものかを知っている前年度王者の主力級選手が来るということは、これまでの東京の歴史にはあまりなかったことなので、時代が変わってきているんだなと、長くいる者からするとそう感じます。クラブにとって大きな出来事だと思います」

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後藤 勝

後藤 勝
ごとう・まさる/小平市在住のフリーライター。出版社、編集プロダクション勤務を経て独立。1990年代末に「サッカー批評」「サッカルチョ」などに寄稿を始めたことがきっかけでサッカーに携わるようになり、現在はFC東京、FC岐阜、東京都社会人リーグを中心に取材。著書に「トーキョー ワッショイ! FC東京 99-04 REPLAY」(双葉社)「エンダーズ・デッドリードライヴ-東京蹴球旅団2029」(カンゼン)がある。ウェブマガジン「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」「ぎふマガ!〜FC岐阜を徹底的に応援する公式ウェブマガジン〜」の執筆を担当。

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