板倉滉「もうちょっと…」 ボルシアMGの課題を指摘、「さらに強くなる」ポイントは?

ボルシアMG監督は確かな手応え「ボールを失っても安定感があった」

 攻撃へのベクトルを保ちながら、どのようにバランスを取るべきなのか。まさにそこが生命線になる。そのあたりについて、守備の要である板倉は次のように語っていた。

「(レバークーゼンの)前にはクオリティーの高い選手がいるなというのは、試合に入る前から分かっていたけど、実際に試合に入ってからすごいそれを感じた。ボールを保持しながら攻撃を組み立てるというのは僕たちのいいところでもあり、ただ逆にそこでボールの失い方が悪いと、大きなスペースでカウンターを受けてしまう。今日の試合を通してチームのみんなは分かったと思うし、あそこの失い方っていうところは反省しておかないといけない」

 ボールを嫌な形で失わないためには、どうしたらいいのだろうか。特にボール保持時間が長くなればなるほど、どこかでじれて無理な攻撃になりやすい。

「狙うところは狙いとしてあっていいと思う。ただ、どこで自分たちがボールを回してるのかというところを、チームみんなで理解する必要がある。イージーなミスをなくせばもっと良くなると思う。うしろから見ていても、本当にクオリティーの高い選手が多い。イージーミスをなくして、あとはカウンターを抑えられるようになれば。どうにかディフェンスとして守り切るっていうところがもうちょっとできれば、さらにこのチーム強くなるかなというふうに思います」

 第18節ホッフェンハイム戦では4-1と快勝したボルシアMG。ファルケ監督はチームとしての成長を感じているようだ。

「前半の我々はポゼッション時にとてもフレキシブルで、動きがあった。ボールを失ってもとても安定感があったし、コンパクトで意志を持った守備をすることができていた。難しい時間帯でも、非常に集中した守備を見せていたし、そこから攻撃への道を作り出すこともできていた」

 自分たちの特徴を生かしたサッカーを練り上げながら、そこから発生するずれが弱点にならないようにケアし続ける。板倉を中心とした守備陣のバランス感覚や攻撃に移る時のタイミングをさらにかみ合わせていければ、ここから上位進出の道も見えてくるだろう。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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