試合勘欠如の欧州組にスタメン奪取を厳命も“優遇策”は継続 ハリル監督「彼らに代わる選手はいない」

競争原理よりもネームバリュー重視?

「そうだとしても、本田はすごく重要な選手だ。もし本田がフィジカル的にトップパフォーマンスであれば、今日は他の結果が生まれたのではないでしょうか。試合の後にみんなにクラブで先発を取ってくれ、もっと試合の数を増やしてくれ、と言いました。試合をしなければハイレベルにいきません。ただし、彼らに代わる選手を我々は持っているのでしょうか。オカは病気もケガもしていました。このなかに誰がいるかということです。ただ、本田のプレーには本当に満足しています。得点を取らせることもできましたし、次の合宿にはもっとフィジカル的なパフォーマンスが良い状態で来てほしい」

 指揮官はこう続けた。出番とともに試合勘を失ったのは本田だけではない。トップ下で90分間見せ場のなかったMF香川真司も、ドルトムントでスタメンの座を失い、レスターFW岡崎慎司も新加入FWイスラム・スリマニに定位置を奪われた。インテルDF長友佑都、サウサンプトンDF吉田麻也もカップ戦要員となっている。大半が各クラブで補欠となっている欧州組に対し、オーストラリア戦後にスタメン奪取を厳命したことを明らかにした。

 この日はJリーグで好調で、追加招集したMF齋藤学(横浜F・マリノス)に出番を与えなかった。ハリル監督はかつて代表招集の条件に、クラブでの定位置確保を掲げていたが、それも完全に形骸化した。競争原理よりもネームバリュー重視か。コンディション抜群の国内組より、試合勘欠如の欧州組が上という“ハリルの流儀”を再び明確にしていた。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

田口有史●写真 photo by  Yukihito Taguchi

 

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