【W杯】ハイペースでの撮影が続く異例の大会 試合終了後の深夜も街には往来…雑貨屋は24時間営業

中東カタールの治安は?【写真:徳原隆元(FOOTBALL ZONE特派)】
中東カタールの治安は?【写真:徳原隆元(FOOTBALL ZONE特派)】

【カメラマンの目】ほぼ1都市開催となり、GL終了時点で18試合を撮影

 今回で12回のワールドカップ取材を数えるベテランのカメラマンの方でさえ「これほど試合を撮影できていることはない」というほど異例の撮影ペースで取材をしている。ほぼ1都市開催となった今回は、1日のなかで試合開始時間が4度に分かれていて、スタジアムからスタジアム、そしてメディアセンターへとバスでつながれており、その気になれば2試合の撮影が可能。グループリーグを終了した時点で18試合を撮影している。

 2試合をはしごすれば当然、ホテルに戻ってくるのは午前1時半から2時とかなり深い時間となる。シャトルバスの車窓から街を見ると遅い時間でも車の往来がかなりある。道を歩いている人もちらほら見かけ、表通りから入った路地の雑貨屋も24時間営業と看板が出ている店が多い。

 治安の面で考えると、ブラジルで長い時間を過ごした身としては、極度の緊張を強いられる状況ではないように思う。試合後も帰宅するサポーターを縫って報道用のプレスバスに向かっても、気を引き締めていれば特別に危ない目には遭いそうにもない。ブラジルだったら勝敗いかんによってはサポーターが殺気立ち、近づくことさえできないことを考えると、カタールでは神経をすり減らさずに済んでいる。

カタールの飲食店は夜遅くでも賑わっていた【写真:徳原隆元(FOOTBALL ZONE特派)】
カタールの飲食店は夜遅くでも賑わっていた【写真:徳原隆元(FOOTBALL ZONE特派)】

 過密日程となりなかなか自由な時間もないが、スタジアムとホテルの往復では味気ないし、せっかくの異文化に触れる機会なので、街に出る機会を作ろうと努力をしている。最寄りの地下鉄駅に随分と流行っている軽食屋がある。ガラス張りで外からケバブを作っているところが見え、夜遅くでも店内は人で賑わっている。そこで食事をしてみた。

 イスラム教国のカタールは豚肉が食べられないため、料理はチキンがメインとなる。並んだ料理は全部で40カタール・リヤル。日本円で1500円ほど。味は見た目よりしつこくなく、別皿のサワークリームで合わせるとさらにクリーミーになり、香辛料を加えるとそこそこ辛くなる。 

 大会も決勝トーナメントに突入し、次のラウンドに進むためには勝利しかその方法はない。日本もグループリーグを劇的な展開の連続で勝ち上がり、このサバイバルレースへと進出した。日本がまだ未到達のベスト8への戦いは5日に行われる。

page1 page2

FOOTBALL ZONE特派・徳原隆元 / Takamoto Tokuhara

とくはら・たかもと/1970年東京生まれ。22歳の時からブラジルサッカーを取材。現在も日本国内、海外で“サッカーのある場面”を撮影している。好きな選手はミッシェル・プラティニとパウロ・ロベルト・ファルカン。1980年代の単純にサッカーの上手い選手が当たり前のようにピッチで輝けた時代のサッカーが今も好き。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング