【W杯】「ドイツ以上に脅威」 元主審・家本氏が語るスペインの印象の変化、“強さ”手に入れた強豪への対策は?
【専門家の目|家本政明】0-1敗戦した試合を振り返り、目立った2人をピックアップ
森保一監督率いる日本代表は、現地時間12月1日22時(日本時間2日4時)にカタール・ワールドカップ(W杯)グループE第3戦のスペイン代表との一戦を迎える。コスタリカ代表戦で0-1の敗北を喫して勝利が求められるなか、元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏が好調スペインの印象の変化と日本の注目選手について語っている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
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コスタリカ戦で日本は、積極的に前に来ない相手に対し攻めきれず膠着した試合を展開。後半36分、コスタリカに数少ないチャンスからゴールを決められ、0-1の敗戦となった。一方のスペインは、同日のドイツ代表戦で1-1と引き分け、勝ち点1を獲得している。現状の順位は以下のとおり。
1位 スペイン 勝ち点4 得点8 失点1 得失点差7
2位 日本 勝ち点3 得点2 失点2 得失点差0
3位 コスタリカ 勝ち点3 得点1 失点7 得失点差-6
4位 ドイツ 勝ち点1 得点2 失点3 得失点差-1
この状況から、日本はスペインに勝つと無条件で突破が決まるが、初戦のコスタリカ相手に7得点のスペインに隙はそう多くない。家本氏も「2010年の初優勝の時は『上手いし凄く楽しいフットボール』という印象を持っていましたが、今大会のスペインは『すごく強いな』という印象に変わりました」とチームの完成度を実感している。
「キープ力、パスワークはもちろんですが、チームとしての強さを感じます。ドイツ以上に脅威です。ドイツは全体的に手堅いチームという印象ですが、スペインはタレントも揃っており前線の勢いがあります」
厳しい戦いが想定されるうえで、鍵を握るのは中盤の守備力だと家本氏は予想。「(右膝を痛め)出場ができるか分かりませんが遠藤選手、守田選手など守備に強く、ボールが捌ける選手が試合のポイントなるかと思います」と2人の名前を挙げた。コスタリカ戦で遠藤は右膝を痛め別メニューで調整。現在スペイン戦への出場は不透明だ。そのほか、家本氏は別ポジションの注目選手にも言及している。
「冨安(健洋)選手が出場できるかどうかも重要です。また、ここまで途中出場だった三笘(薫)選手の起用法にも変化があるのか。コスタリカ戦で輝ききれなかった伊東(純也)選手、鎌田(大地)選手もここで爆発してほしいですね」
コスタリカ戦では5人選先発入れ替えでターンオーバーを行った森保ジャパン。命運の懸かるスペイン戦では、選手の起用含めどんな戦いを見せてくれるだろうか。
家本政明
いえもと・まさあき/1973年生まれ、広島県出身。同志社大学卒業後の96年にJリーグの京都パープルサンガ(現京都)に入社し、運営業務にも携わり、1級審判員を取得。2002年からJ2、04年からJ1で主審を務め、05年から日本サッカー協会のスペシャルレフェリー(現プロフェッショナルレフェリー)となった。10年に日本人初の英国ウェンブリー・スタジアムで試合を担当。J1通算338試合、J2通算176試合、J3通算2試合、リーグカップ通算62試合を担当。主審として国際試合100試合以上、Jリーグは歴代最多の516試合を担当。21年12月4日に行われたJ1第38節の横浜FM対川崎戦で勇退し、現在サッカーの魅力向上のため幅広く活動を行っている。