森保ジャパン「期待しかない」W杯のキーマンは? 日本代表OBが絶賛「ドイツやスペインの選手に引けを取らない」

金田氏が鎌田大地に言及【写真:Getty Images】
金田氏が鎌田大地に言及【写真:Getty Images】

【専門家の目|金田喜稔】名声を高める鎌田大地「抜きん出た才能を持っている」

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランク24位)は11月17日、UAEのドバイでカナダ代表(同43位)と国際親善試合を行い、1-2と逆転負けを喫した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、カタール・ワールドカップ(W杯)に向けて「勝敗の鍵を握る存在」「ドイツやスペインの選手にも全く引けを取らない」とキーマンを指名している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 カナダ戦で4-2-3-1システムを採用した日本は、右サイドハーフに入ったMF相馬勇紀(名古屋グランパス)のゴールで先制するも1-2で惜敗。金田氏は、「遠藤航(シュツットガルト)や守田英正(スポルティング)の状態もあり、フランクフルトで使われているボランチで最終テストをせざるを得ない事情もあった」と、後半22分からボランチ起用されたMF鎌田大地(フランクフルト)に注目している。

 遠藤は今月8日のブンデスリーガ第14節のウニオン・ベルリン戦で脳震とうによる影響、守田は左ふくらはぎの違和感によりカナダ戦を欠場。ボランチコンビが不在のなか、カナダ戦ではMF柴崎岳(レガネス)とMF田中碧(デュッセルドルフ)がダブルボランチで先発し、鎌田も後半途中から起用された。

 金田氏は「鎌田は途中出場ながら、相手からボールを奪い、自分で運んでサイドに展開し、最後はシュートエリアに飛び出していた。ボール奪取からシュートの局面まで1人で作れる選手は希有だし、もう期待しかない」と賛辞を送る。

「ゴールだけ、つなぎだけ、という選手ではない。コンディションも良く、所属先のフランクフルトでも決定的な仕事をして勝利を呼び込んできた。ボランチはあくまでオプション。本大会ではトップ下で起用されると思うが、抜きん出た才能を持っているし、まさに日本のキープレーヤーだ」

 カナダ戦ではボランチ起用され、攻守両面にわたって存在感を放った鎌田。本番を見据えて「間違いなく言えるのは、鎌田がW杯で勝敗の鍵を握る存在だということ」と繰り返し強調した金田氏は金星に期待を寄せる。

「ドイツやスペイン撃破しての金星は、彼の活躍次第だと思う。実際、ブンデスリーガやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)などで結果を残して自信にあふれているし、W杯優勝国であるドイツやスペインの選手にも全く引けを取らない」

 今年5月、フランクフルトのUEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝に大きく貢献し、ドイツで名声を高める鎌田は、大舞台でどんなパフォーマンスを見せるのだろうか。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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