日本代表、カナダ戦のドバイ開催が“合理的”な訳 W杯開催地から一時離脱「シンプルに親善試合を組みやすい場所」

ドバイでカナダ戦に挑む日本代表【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
ドバイでカナダ戦に挑む日本代表【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

最終調整のためUAEへ、W杯で使用するスタジアムは使用不可

 日本代表は現地時間11月20日のカタール・ワールドカップ(W杯)に向けて、国内組が10日にドーハ入り。所属クラブでの活動を終えた欧州組が、その後を続いて合流してきた。最終的に16日の段階では日本代表メンバー26名中、体調不良のMF三笘薫(ブライトン/イングランド1部)を除く、25選手がカタール入りしていた。

 そうしたなかで、チームは16日に一度カタールを離れ、空路でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ入り。現地で17日にW杯前最後のカナダ代表との国際親善試合を行うこととなった。なぜ、わざわざ決戦の地であるカタールを離れる必要があったのか。

 カタールで試合を行えば、15日にチームに合流したばかりの選手たちに、2日連続の空路での移動を強いることもなかった。また、負傷離脱中のMF遠藤航(シュツットガルト/ドイツ1部)、MF守田英正(スポルティング/ポルトガル1部)も、試合をベンチから見ることができた。

 日本代表の移動に伴い、日本の報道陣もほとんどがUAEへ移動。空港ではW杯のプレスパスをぶら下げた日本人記者が、出国ロビーにいることを不思議に思い「大会が始まっていないのに、もう帰るのか?」と聞いてくる者もいた。

 FIFAのルールによって、W杯の試合を開催するスタジアムでの試合は禁じられている。またカタール国内で行われる試合についての放映権などの権利も、すべてFIFAが管轄することになっている。協会関係者によれば、「ドーハじゃない都市でやれれば良かったのかもしれませんが、W杯で使用するスタジアムが使えなければ、そんなにスタジアムもないと思います」と説明する。

 ドバイで親善試合を開催することにより、協会が利益を得ようとしているのではないかという声も聞かれた。確かに放映権料は入るだろう。だが、ドーハからドバイへのチャーター機での移動にかかるコストは協会が支払うことになる。宿泊費やスタジアムの使用料についても同様だ。さらに中東での試合になれば、スタジアムが満員になることはほとんど期待できない。「おそらく3000人、4000人くらいで、興行としてのうまみはそんなにない」と、協会関係者も言う。

 もちろん、日本のベースキャンプ地で、地元チームなどと試合をすることも可能だった。だが、同じテンションでW杯に向かおうとしている国と親善試合を行った方が、競技面でもメリットが大きいのは明白だろう。

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