「やはり初戦がすべて」 阿部勇樹、カタールW杯へ臨む森保ジャパンへエール「違った景色になってくる」

阿部勇樹の引退試合が行われた【写真:徳原隆元】
阿部勇樹の引退試合が行われた【写真:徳原隆元】

南アフリカW杯経験者の阿部が森保ジャパンに言及

 現役時代に浦和レッズやジェフユナイテッド市原(当時)などでプレーした元日本代表MF阿部勇樹が、11月12日に埼玉スタジアムで引退試合を実施した。現役時代に2010年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)でベスト16入りに大きく貢献した阿部は、これからカタールW杯に臨む日本代表に「やはり初戦がすべて」とエールを送った。

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 阿部は2004年のアテネ五輪に出場し、その後はジェフで指導を受けた故イビチャ・オシム氏が就任した日本代表でも継続的に選出されるようになった。オシム氏が病に倒れて後任となった岡田武史監督の下では貴重なバックアッパーという立場になっていたが、W杯を直前に4-1-4-1システムの導入を決断した指揮官により本大会ではアンカーとして大車輪の活躍を見せ、ベスト16入りを果たしたチームの中心になった。

 その当時の経験から阿部は「期待に応えるためには準備が重要だと思う。そして、グループリーグは3試合あるけど、やはり初戦がすべて。初戦で勝つことができれば、次の試合への臨み方も変わってくる。3試合あるからではなく、1戦目に勝つことだけに力を注ぐべきかなと。そこで勝ち点をしっかり取ることができれば、違った景色になってくると思うし、そこで取れなければ厳しい状況になるのは、多くの方が理解されていると思う」と話した。

 南アフリカW杯では、初戦のカメルーン戦でこの日の引退試合にも出場したMF松井大輔(Y.S.C.C.横浜)のアシストからFW本田圭佑が決勝ゴール。そこで勝ち点3を得た岡田ジャパンは、2戦目の強豪オランダ戦には敗れたものの、第3戦でデンマークに勝利して2勝1敗でグループを突破した。最後のデンマーク戦は引き分けでも日本が突破という優位性を手にしていたが、初戦の勝利があったからこその立場だった。

 そして阿部は、大会に臨む選手たち精神状態の持っていき方でもエールを送っている。

「W杯の舞台で結果ももちろん大事だと思うけど、選手たちには自分が持っているものをしっかりアピールしてほしい。『俺はこんなことができて……』ということを、たぶんみんな見せたいと思っているんですよね。それが『自分が、自分が』になるのではなく、チームのためにそういったことをやっていくんだという意識でやれば、結果はついてくるのではないかと。自信を持って戦ってほしいし、その姿が多くの方々にパワーを与えるのではないかと思うので、頑張ってほしい」

 現在の森保一監督が率いる日本代表には、南アフリカW杯で共闘したGK川島永嗣(ストラスブール)やDF長友佑都(FC東京)のほか、浦和でチームメイトだったMF遠藤航(シュツットガルト)やDF酒井宏樹(浦和レッズ)も出場する。ベスト16、その先へと進むためにも、阿部はチームのために自分が持っている最高のプレーを見せるというメンタリティーの重要性を話していた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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