「全く異論はない」 玉田圭司がW杯メンバー“FW人選”に見解、得点力に懸念の声も「世界で戦う中での選出」

玉田圭司がFWの3選手について言及【写真:Getty Images & 高橋 学】
玉田圭司がFWの3選手について言及【写真:Getty Images & 高橋 学】

【専門家の目|玉田圭司】森保ジャパン、W杯メンバー「FW枠」選考に見解

 カタール・ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表メンバー26名が発表され、主軸選手が順当に選ばれた一方、メンバー入りが叶わなかった一部選手の落選にさまざまな議論も巻き起こった。得点力への期待が高かった大迫勇也(ヴィッセル神戸)、古橋亨梧(セルティック)が落選となったFWの人選について、かつて、名古屋グランパスや柏レイソルで活躍し、W杯2大会連続出場経験を持つ元日本代表FW玉田圭司氏に見解を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本代表の本大会メンバー26人の顔ぶれを受けて、玉田氏は「思っていたとおりの26人」とし、森保ジャパンで長らくセンターフォワードのエース格へ君臨してきた大迫、スコットランド1部セルティックの主力FWとして活躍する古橋の落選についても「全く異論はない」と言い切る。両選手とも実績十分ながらも外れたのは、「世界で戦ううえで、3試合(スペイン、コスタリカ、ドイツ)を勝ち抜くために考えた中での選出」だったと、玉田氏は見ている。

 今回のW杯で優勝経験国ドイツ、スペインと同グループで戦う日本。両国との実力差を考えると、ボールポゼッションを高める戦い方は難しく、9月のアメリカ戦(2-0)で機能したハイプレス戦術が軸になるとの見方ができる。1トップ候補となるFWには浅野拓磨(ボーフム)、前田大然(セルティック)、上田綺世(セルクル・ブルージュ)が選ばれたなか、その人選について玉田氏は、得点力以外でのタスクを期待してのセレクトだったのではないかと推察する

「FWの選手にゴールだけを望んでいないかもしれませんね。2列目の選手、特に鎌田(大地)選手を中心にチャンスを作りながら得点できるという自信も、森保(一)監督の中にはあるかもしれないです。そのためのFWの人選のように見えます。もちろん、得点も期待しているとは思いますけど、得点力だけを期待しているのであれば古橋選手を呼んでいるだろうし、それ以外の貢献度というものを期待していると思います」

 浅野、前田、上田の3選手はいずれも、W杯メンバー初選出。FW陣の経験不足を指摘する声も上がっているが、2006年、10年W杯経験者の玉田氏は「経験していることに越したことはないですけど、それを言えば『この選手も、あの選手も必要だ』となってしまう。浅野選手や前田選手、上田選手はいずれも欧州でプレーしていて、海外の雰囲気、選手の特長は分かって来ていると思います。W杯だから気負ってしまうのか、逆に、実力を発揮できるのか選手個々のメンタリティーに寄るところもあるでしょう」と、持論を示した。

[プロフィール]
玉田圭司(たまだ・けいじ)/1980年4月11日生まれ、千葉県出身。名門・習志野高校から99年に柏レイソルへ入団。プロ5年目で主力に定着し、2桁得点をマークした。2004年に日本代表へ初招集。名古屋グランパスへ移籍した06年にはドイツW杯へ出場し、第3戦ブラジル戦でゴールを決めた。10年南アフリカ大会でW杯2大会連続出場。国際Aマッチ通算72試合16得点を記録した。セレッソ大阪、V・ファーレン長崎にも所属し、Jリーグ通算511試合131得点した左利きのストライカー。21年に現役を引退した。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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