エース南野拓実の「居場所がなくなった」 トップ下でアピール失敗…日本代表OBが序列争いへ見解「起用する状況でもない」
【専門家の目|栗原勇蔵】左サイドよりは中央が生きるが、トップ下は鎌田の主戦場に
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は、9月24日にドイツ・デュッセルドルフで行われた国際親善試合でエクアドル(同44位)に0-0で引き分けた。トップ下で先発出場したMF南野拓実(ASモナコ)は決定機がありながら、ゴールを決められずに途中交代。元日本代表DF栗原勇蔵氏はMF鎌田大地(フランクフルト)の重要度アップにより、居場所を失いつつあると指摘した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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9月23日の国際親善試合アメリカ戦で2-0と快勝した森保ジャパンは、エクアドル戦でスタメンを総入れ替え。攻撃陣は2列目にMF堂安律(フライブルク)、南野、MF三笘薫(ブライトン)、1トップにFW古橋亨梧(セルティック)が入った。
一進一退の攻防が繰り広げられるなか、日本は前半5分、カウンターから三笘が左サイドをドリブルで駆け上がろうとしたところを、エクアドルがイエローカードで突破を阻止。さらに同7分、三笘が左サイドからカットインしてクロスを供給し、南野がヘディングシュートを放ったが、枠を捉えられなかった。
南野はトップ下として攻撃に絡み、前半40分には古橋の決定機を呼ぶチェイスをしたなか、後半12分に絶好のチャンスを迎える。
三笘が左サイドで緩急をつけたドリブルで相手DFを置き去りにし、マイナスの折り返しを供給。ペナルティーエリア内で反応した南野が左足ボレーで合わせるも、シュートは枠の左へ外してしまった。
結局、南野は後半22分に鎌田と交代。FW上田綺世(セルクル・ブルージュ)との相性は悪くなかったが、9月シリーズでは目に見えた結果を残せなかった。元日本代表DF栗原氏は、南野が生きるのは左サイドではなく中央だとしたうえで、鎌田との争いは劣勢との見解を示した。
「エクアドルの守備体系はしっかりしていて、なかなかスペースがありませんでした。南野と古橋のセットは不発でしたけど、南野も後半になってスペースが開いてきて、上田がターゲットになれたので、攻撃の形が増えた。南野はやはり中央。ただ、鎌田は不調な時期があったけど、ここにきて復活して、その頃にはもう南野の居場所はなくなってしまった印象があります。4-3-3になるとゼロトップ気味の1トップしかないですけど、そこまでして起用する状況でもない気がします」
カタールW杯メンバー入りに黄信号とまではいかないが、4-2-3-1システムが機能している状況では、南野の厳しい立場は続くかもしれない。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。