アメリカ戦での足裏タックルは「危ないプレー」 日本代表OBが報復の雰囲気”指摘「レッドカードでもおかしくなかった」
【専門家の目|栗原勇蔵】伊東がアーロンソンを倒したシーンは「もろにふくらはぎに行っている」
森保一監督率いる日本代表は、9月23日に行われたキリンチャレンジカップでアメリカに2-0の勝利を収めたなか、MF伊東純也(スタッド・ランス)が足裏で相手を倒したシーンについて、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「レッドカードでもおかしくなかった」と見解を述べている。
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4-2-3-1システムを採用した日本は、前線からのハイプレスが機能し、MF鎌田大地(フランクフルト)とMF三笘薫(ブライトン)のゴールで2-0の勝利。カタール・ワールドカップ(W杯)出場国であるアメリカを相手に攻守で圧倒するパフォーマンスを見せた。
そのなかで、後半7分に伊東の右クロスがゴール前で跳ね返され、アメリカがショートカウンターへ転じた際、メインスタンド側のライン際でFWブレンデン・アーロンソン(リーズ・ユナイテッド)をプレスバックした伊東が倒すと、アーロンソンは足を抑えながら苦悶の表情を浮かべた。
“お咎めなし”となった伊東にレフェリーからカードは提示されず、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックもなかった。しかし、スロー映像では伊東の足裏がアーロンソンの右ふくらはぎにヒットしているのがはっきりと分かり、危険プレーとして“一発退場”のジャッジが下りかねない場面だった。
日本代表DF栗原氏は、「映像で見るとかなりひどい。そんなに負荷はかかっていないようには見えますけど、シチュエーションもシチュエーションで、追いかけて報復のような形で行ったので、VARで見られたらレッドカードでもおかしくない」と見解を述べた。
「伊東は冷静なタイプなので珍しい気がしますけど、もろにスパイク裏でふくらはぎに行っている。もう少し力を加えていたら、レッドカードだと思います。あの形でうしろから狙って、どうやってボールを奪うのか。足の裏でボールに触れたとしても、どう次のプレーに行くのか。ああいうボールの奪い方はそうそうしないので、意図的に見えてもおかしくない。映像だけ見ると、もろに(ふくらはぎに)行っているので危ないプレーですね。角度的にもう少し踏みつけ系で、足だけ踏みに来るパターンもあるので、勢いの問題、負荷の問題で判定が変わってくると思います」
アーロンソンは大事に至らず、フル出場したことには救われた部分があったかもしれない。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。