W杯メンバー入りへ MF相馬勇紀がギラつかせる自信「初見の相手は瞬発力でほぼ確実に抜ける」
「ここに呼ばれるためにずっと闘志を燃やしながらやってきた」と代表定着に意欲
日本代表は9月23日、国際親善試合のアメリカ戦を行う。この試合に向けた前日練習後に取材に応じたMF相馬勇紀(名古屋グランパス)は、E-1選手権での活躍が認められて、今回のメンバー入りを果たしたが、さらにカタール・ワールドカップ(W杯)のメンバー入りも狙っていく。
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E-1選手権では、得点への強烈な意欲を示し、実際に3ゴールを挙げて大会得点王に輝いた相馬。今回はカタールW杯が近づいているなかで、チームのコンセプトも理解していかなければいけないが、相馬は自身が貪欲にポジションを狙っていくことが、自然とチームにも好影響を及ぼすと考えている。
「チームでやることをやるのは当たり前だと思うので、E-1の時と気持ちは全く一緒です。練習から普段ずっと代表に入っている選手を脅かすためにも、本当に全力でプレーしたい。結果が一番大事だと思いますが、守備のところだったりでも、アグレッシブにプレーし続けたい。今の僕の立場だったら、自然とチームにいいモチベーションを還元できると思う。僕は噛み付いていき、メンバー争いしながらもチームのために頑張る。それが自然とチームのためにつながっていくと思う。結果のところとチームのためにプレーすることは、いつも考えているそれを表現できたら、両方が達成できると思う」
W杯アジア最終予選では、MF伊東純也(スタッド・ランス)、MF三笘薫(ブライトン)といった突破力のある選手たちの活躍が光った。相馬も突破力に秀でているが、すでに欧州でプレーする伊東と三笘と異なり、日本国内でプレーしている相馬は、まだ世界的にも知られていない可能性が高い。秘密兵器となるには、打ってつけの存在だ。
相馬自身も自信を見せる。「一発(で抜ける)っていうところを、自分は持っていると思っていますし、初見の相手は瞬発力でほぼ確実に抜けると思っています。1つ目のチャンスで仕留めるところは、特に意識しながらやりたいなと思っています。今回で(警戒するべき選手だと)見つかってしまったとしても、Jリーグはいつもずっと見られているわけではないと思う。攻撃のところでは点に絡む仕事をしたいですし、守備のところでも自分は戦えると思っているし、ランニングも繰り返せるので、そういうところもやっていきたい」と、アピールを誓った。
E-1選手権でゴールを量産できた背景には、海外で活躍することを意識していた取り組みがある。エリア内で見せた決定力など、ドリブルを得意とするサイドアタッカーにとどまらないプレーを、世界に示すチャンスを166センチの小兵は切望する。
「今までは、外で受けて仕掛けることが多かったのですが、例えば僕がニアサイドまで入って行けば、相手はマークに付きにくいからゴールを決めたりできる。いくら相手の身長が高くても、ニアならボールを触れる。相手が一瞬、マークを離した隙の動き出しができれば、ヘディングでも身長差は関係なくゴールを決められる。どこの相手にも使えると思うので、それを発揮して、今回も点を取りたい」
東京オリンピックでチームメイトだったMF田中碧(デュッセルドルフ)や三笘は、アジア最終予選から日本代表の常連になっていた。彼らの存在について相馬は「刺激は常に受けている」と言い、改めてカタールW杯のメンバー入りへの思いを口にした。
「自分が一緒に戦っていた仲間が、最終予選でW杯出場を決めている姿には、応援している気持ちと、そこで自分もやりたいという気持ちがありました。当時は、そこに選ばれる結果を出せていなかったと自分でも思いますが、ここに呼ばれるためにずっと闘志を燃やしながらやってきた。今、チャンスが目の前にあるので、それを絶対に自分でつかめるようにしたいし、W杯に向かっているチームの一員としての取り組みを両立していきたい」
戦術の浸透などを図りたい森保一監督が、この2連戦で新戦力候補を試せる時間は、決して長くないはず。訪れる一度、二度のチャンスを確実に生かして、次の機会を作れるか。相馬にとって、カタールW杯へ向けた大きな挑戦となる。