「ギリギリ試せるタイミング」 9月シリーズの森保ジャパンメンバー30人を日本代表OBはどう見た?
【専門家の目|栗原勇蔵】久々の代表活動となる右SB酒井宏樹のプレーは重要
森保一監督率いる日本代表は、9月にドイツのデュッセルドルフでアメリカ代表(23日)、エクアドル代表(27日)とキリンチャレンジカップを行う。9月15日に発表されたメンバー30人の顔ぶれについて、元日本代表DF栗原勇蔵氏に訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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当初予定されていた26人から、30人まで上限を増やして招集された今回の日本代表メンバーは、欧州リーグでプレーする常連組が順当にベースとなった。そのなかで、今年7月に開催されたE-1選手権に出場したMF相馬勇紀(名古屋グランパス)とFW町野修斗(湘南ベルマーレ)が選出され、DF瀬古歩夢(グラスホッパーCZ)も最終テストの場に呼ばれた。瀬古に関して言えば、DF板倉滉(ボルシアMG)が左膝内側側副靭帯の部分断裂に見舞われたことが大きいだろう。栗原氏も、板倉の不在の影響についてこのように触れる。
「板倉は、吉田(麻也)、冨安(健洋)を抑えて(センターバックの)軸になるんじゃないかというところまで来ていた。吉田のパフォーマンスが戻れば、冨安とのコンビで問題ないかもしれないけど、板倉がしっかりしたプレーが見せられるか見たかった。本大会に間に合わないかもしれない大怪我は計算外。瀬古は板倉の怪我を受けての人選でしょう。上背もあるし、フィードが上手い。国際舞台でどれくらいできるか。ギリギリ試せるタイミングだと思います」
栗原氏は「おそらく、カタールW杯のメンバー(26人)は、この30人の中から9割何分まで入ると思う。いないメンバーで言えば、(怪我の影響で招集されなかった)大迫勇也が入るかどうかで、それ以外は可能性は低いでしょう」と見解を述べる。
そういったなかで、栗原氏は守備陣で注目の選手に、今年2月のカタール・ワールドカップ(W杯)最終予選以来の代表活動となるDF酒井宏樹(浦和レッズ)の名前を挙げる。
「CBは吉田と冨安、左サイドバック(SB)は長友佑都か伊藤洋輝、右に酒井が帰ってきた。現時点で酒井のパフォーマンスがどこまで戻っているか。それ次第で山根視来を引き上げ、冨安を右に回すことまでしないといけなくなるかもしれない。山根はいい選手ですいけど、酒井のプレーは日本代表にとって非常に重要です」
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。