失意のJ2帰還で厳しい視線を浴びた山口 勝負の代表復帰戦で“黒子役”を完遂!

6大会連続W杯出場へ、負けられないタイ戦で相手のカウンターを封殺

 ハリル監督の信頼が厚い中盤のファイターが、スタメン復帰の期待に応えた。6日のロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第2戦の敵地タイ戦で、日本代表MF山口蛍はボランチの一角で先発フル出場し、相手のカウンターを潰し続けた。

 山口は今年1月にドイツ・ブンデスリーガのハノーバーに移籍したが、わずか半年でJ2を戦う古巣セレッソ大阪に復帰していた。今回の最終予選に向けたメンバー発表でも、バヒド・ハリルホジッチ監督から「ドイツのようなリーグで戦えば、A代表で興味深い選手になるはずだった。私は戻ってくることに高い評価はしていない。私は代表監督としてコメントするが、良い選手をすぐには手放せない」と、日本への復帰を歓迎していない旨のコメントを残されていた。

 さらに、1日の初戦UAE戦は足の違和感によりベンチスタートも出番なし。スタメンに代表デビュー戦となるMF大島僚太(川崎)を抜擢せざるを得ない状況になり、その大島が失点に絡む形で敗戦してしまった。

 そうした状況下だっただけに、スタメン復帰したこのタイ戦は、山口自身にとっても勝負どころの試合となっていた。中盤でボールを受けるとシンプルなパス選択が目立ったが、2014年ブラジルW杯戦士でもある男の真骨頂は攻守の切り替えにあった。タイがボールを受けて速攻に出ようかという場面で、背番号16が何度もタイの攻撃の起点を潰した。アウェー用の白いユニホームを雨が降るピッチの泥と芝で汚しながら、90分間奮闘した。

 

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