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驚くべき南アフリカW杯への道筋 玉田圭司が「再生してくれないか」の一言に感じた岡田監督のプランニング力
【2010年南アフリカW杯戦記|玉田圭司】大会前の“方向転換”は日本サッカー史に残る「ターニングポイント」
今年11月、いよいよカタール・ワールドカップ(W杯)が開幕する。森保一監督率いる日本代表は、グループリーグでドイツ、スペイン、コスタリカと対戦。日本にとっては“死の組”とも言える組での熱戦が期待される。
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7大会連続となる世界の大舞台。これまで多くの代表選手が涙を流し、苦しみから這い上がり、笑顔を掴み取って懸命に築き上げてきた日本の歴史だ。「FOOTBALL ZONE」では、カタール大会に向けて不定期企画「W杯戦記」を展開し、これまでの舞台を経験した人たちにそれぞれの大会を振り返ってもらう。2大会連続で出場した玉田圭司は南アフリカ大会で指揮を執った岡田武史監督の人柄を明かした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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大会ベスト16入り。終わってみればベスト8まであと1歩、悔しい幕引きとなったが、2002年日韓W杯に並ぶ好成績だった。川口能活、中澤佑二、田中マルクス闘莉王らピッチ内外でチームを牽引するメンバーがいる一方で、自身2度目のW杯となった岡田武史監督の存在は大きかった。
「人間味があって、余裕があって、自分を貫くところは貫いて。だから僕は引退した後も岡田さんに会いに行ったりした。人間的に尊敬できる」
大会前、日本代表は大きな“方向転換”を行った。本番まであと2か月に迫った2010年4月7日、大阪・長居スタジアムで行われたキリンチャレンジカップ・セルビア戦で、相手は主力メンバーを欠くなかで0-3と完敗。5月24日に国内最終戦として埼玉スタジアムで開かれたキリンチャレンジカップ韓国戦でも1得点できないまま0-2と敗れ、5年ぶりのホーム2連敗を喫した。
ここで岡田監督は“方向転換”を行う。5月30日、オーストリアで行われたイングランドとの強化試合で4-2-3-1から4-1-4-1へシステムを変更。中盤では遠藤保仁と長谷部誠の2ボランチ、アンカーに阿部勇樹を配置し、守備力を高めた。「ここが一番のターニングポイントだった」と玉田も話す。
「短い期間で(システム変更を)落とし込んで(本大会の)初戦で勝てたことが本当に大きかった。初戦で勝つと勢いが出てくる。最初に勝ち点3を取ったことで(第2戦の)オランダに負けても余裕があるし、次勝てば行けるというチームの雰囲気につながった。この方向転換した岡田さんのサッカーがあったからこそ、次の大会、次の次の大会につながったと思う。あれから12年経つけど、今もこのサッカーをまだ続けていたら『日本のサッカー』というものを確立できていたと思う。クラブチームの成長にもつながっただろうね」