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稲本潤一が明かすドイツW杯の真相 日本代表「黄金のカルテット」が輝かなかった理由…“足りなかった力”とは?
【2006年ドイツW杯戦記|稲本潤一】豪州戦の逆転負けで「選手同士は一体感に欠けた」
今年11月、いよいよカタール・ワールドカップ(W杯)が開幕する。森保一監督率いる日本代表はグループリーグでスペイン、ドイツ、コスタリカと同グループとなり、“死の組”とも言われる厳しい状況のなか、史上初の大会ベスト8入りを目指す。
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7大会連続となる世界の大舞台。これまで多くの代表選手が涙を流し、苦しみから這い上がり、笑顔を掴み取って懸命に築き上げてきた日本の歴史だ。「FOOTBALL ZONE」では、カタール大会に向けて不定期企画「W杯戦記」を展開し、これまでの舞台を経験した人物たちにそれぞれの大会を振り返ってもらう。2002年、06年、10年とW杯を3回経験した稲本潤一(南葛SC)が、自身2度目の出場となったドイツ大会を回想する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史)
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「サッカーの神様」と呼ばれる元ブラジル代表MFジーコが指揮を執ったジーコ・ジャパンは、中田英寿、中村俊輔(現・横浜FC)、稲本潤一(現・南葛SC)、小野伸二(現・北海道コンサドーレ札幌)を同時に起用する“日本版・黄金カルテット”が大きな注目を集めた。稲本はライバルたちとコミュニケーションを取りながら、ベストの形を模索していたという。
「あの中盤を初めて組んだ時、まず『誰が守備をするんだ』と思いました(笑)。伸二とやったり、ヒデさん(中田英寿)とやったりしましたけど、伸二とは『俺がうしろで守備をするから前へ行ってくれ』という会話はしていて、前の俊輔とヒデさんもバランスを見ながら、みんなで上手くできていた。試合中はよくコミュニケーションを取っていましたね」
ドイツW杯の戦いは、グループリーグ初戦のオーストラリア戦にその大半が凝縮される。前半26分、中村俊輔がGKとDFの間を狙った浮き球がそのままネットに吸い込まれて先制した日本。終盤まで1-0とリードしながら、後半39分から6分間でFWティム・ケイヒルに2発を食らって勝ち越しを許し、アディショナルタイムにはFWジョン・アロイージにダメ押しゴールを奪われ、1-3で敗れた。世紀の逆転負けを喫したショックは、チームに大きなダメージを与えていたと、稲本は改めて振り返る。
「ああいう負け方をして、正直、チームの雰囲気は良くなかったのを覚えています。次の試合を盛り上げていこうと口では言っている反面、やはりショックは大きくて、選手同士は少し一体感に欠けるというか、バラバラなところはあったかなと。ジーコ監督は練習をオープンに見せる方でしたが、シュート練習の時にファンの方からブーイングが飛んだりもしました。チームとして盛り上げて、厳しい状況を乗り越える力が足りませんでした」