「ほぼ間違いなく選ばれる」 国内組からカタールW杯メンバーに選ばれるのは? 英記者が太鼓判

日本代表は韓国相手に3-0の完勝【写真:Getty Images】
日本代表は韓国相手に3-0の完勝【写真:Getty Images】

【識者の目】韓国戦で日本は高パフォーマンスを発揮

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は7月27日に行われたE-1選手権第3戦で韓国代表(同28位)に3-0で勝利し、4大会ぶり2度目の優勝を飾った。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、E-1選手権経由カタールW杯行きの可能性がある選手を指摘。だが、前線については「望みは薄い」と断言した。

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 なんだかんだ言っても、最終的には日本が東アジアのチャンピオンになったわけだ。観客動員の少なさや会場の遠さなどから悪評が立っていた大会だが、最後はサムライブルーのベストパフォーマンスで幕を下ろすことになった。

 韓国代表のファンは、この日本相手に支配される姿を見ていられなかったはずだ。森保一監督率いる日本のパフォーマンスによって、レッドデビルズ(韓国代表公式サポーター)は11月に開幕するW杯での成功に疑問を持ちはじめたことだろう。

 森保監督同様に、韓国を率いるパウロ・ベント監督も今大会は多くの主力選手を欠いていたが、それでもカタールへ行く26人の枠に入る選手を何人かは起用することができていた。GKチョ・ヒョヌ、DFキム・ジンス、DFパク・ジス、MFクォン・チャンフン、FWチョ・ギュソン、FWナ・サンホといった面々を揃えながら、Jリーグ選抜に完敗した事実は、選手層の厚さという面で両国の差を如実に示していた。

 日本がこの大会で最も強かったことは否定できない。韓国を破って優勝したのは妥当だっただろう。この試合の日本には中国戦では見られなかったような緊迫感があった。前半は規律を持って守る韓国相手になかなかチャンスをつくれなかったが、相馬勇紀や西村拓真が見せたエネルギーとプレッシャーによって韓国が落ち着く隙を与えず、守備陣のミスを引き起こした。

 相馬は前半に西村と連係してクォン・ギョンオンからボールを奪い、サイドを深くえぐってシュートを放ったが、不運にもポストを叩いた。あの場面で町野修平の反応が鈍かったのは残念だった。リバウンドを押し込んで得点できるチャンスだったが、彼はよろめいて倒れてしまった。

 しかし、後半に入ると日本は優勝チームにふさわしい活気のあるアプローチを仕掛け、韓国の脅威を最小限に抑えた。ハードワークできる藤田譲瑠チマと岩田智輝が中央のエリアを支配し、西村の素早いチェイスが森保ジャパンのアタッキングライン全体に勢いを与えた。相馬の先制点に繋がる藤田の浮き球パスは極上だった。藤田は町野が決めた3点目にも絡んでいる。そして相馬はMVPにふわさしいハツラツとしたパフォーマンスだった。

 森保ジャパンが日本で韓国を圧倒したのはこれが2回目だ。去年の3月、横浜で行われた3-0の試合ほど韓国が無気力なパフォーマンスではなかったとはいえ、この結果は韓国のファンにとって衝撃的なものだっただろう。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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