札幌GK菅野の一発退場シーンをジャッジリプレイが検証 「競技規則上はレッドだけど、猶予はある」

札幌GK菅野孝憲(写真は昨季のもの)【写真:Getty Images】
札幌GK菅野孝憲(写真は昨季のもの)【写真:Getty Images】

菅野がペナルティーエリア外に飛び出し、ウタカにファウルをしてストップ

 7月2日に行われたJ1リーグ第19節京都サンガF.C.×北海道コンサドーレ札幌では、札幌GK菅野孝憲が一発退場となるシーンが大きな注目を集めていた。スポーツチャンネル「DAZN」の人気番組「Jリーグジャッジリプレイ」で当該シーンを検証しており、元国際主審の家本政明氏は競技規則上は正しい判断としつつ、「僕がレフェリーだったらレッドカードにしていない」と見解を述べている。

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 スコアが動いたのは前半9分、京都MF山田楓喜がクロスを送るとFWピーター・ウタカが抜け出してヘディングシュート。これはGK菅野に阻まれるも、こぼれ球をウタカが詰めてホームの京都が先制した。

 注目を浴びているのは前半15分のシーンだ。京都が最終ラインの裏へボールを供給し、ウタカが反応。GK菅野がペナルティーエリアから大胆に飛び出してクリアを試みるも、先に触ったウタカがボールをキープする。菅野が身体を密着させてボール奪取を図るなか、ウタカも粘り強くシュートを放った。これは札幌の守備陣が防いだものの、直後に笛が吹かれてGK菅野にレッドカードが提示された。

 菅野がウタカと球際で競り合った際のプレーが「DOGSO」に該当すると判断され、一発退場処分となった。

「DOGSO」(ドグソ)とは「Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity」の略で、決定的な得点機会の阻止を意味する。適用条件には、(1)反則とゴールとの距離、(2)全体的なプレーの方向、(3)ボールをキープ、またはコントロールできる可能性、(4)守備側競技者の位置と数、が必要となる。

 家本氏は、「僕がレフェリーだったらレッドカードにしていない」と切り出し、当該シーンを検証している。

「距離は少し遠い。方向・可能性は該当。位置はディフェンスが2枚、アタックもできるし、ゴールカバーもできる位置関係にいるので少し下がる。人数も2枚なので少し下がる。GK(菅野)が(ペナルティーエリアより)前に出たことで、その瞬間手を使ってゴールを守れる選手がいないのは1つポイントです。ディフェス2枚が戻っているとはいえ、シュートコースは開いている。ディフェンスが2枚戻っているし、シュートを打った時に本当に入るのか。確率は少し落ちると思う」

 家本氏は「飯田(淳平)さんの判定が間違っていると思わないし、十分レッドカードの域にあるとは思う」と断ったうえで、「競技規則上はレッドカードと言えるけど、ロジカルな事実、フットボールを流れで見た時に、レッドカードかと見ると厳しい印象。猶予はある。イエローカードでいいんじゃないのかという見解」と続けていた。

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