神戸×磐田のイエロー判定「OFRを勧めるべきだった」 “退場処分”の見極めへJFA審判委員が見解

神戸FW武藤嘉紀【写真:高橋 学】
神戸FW武藤嘉紀【写真:高橋 学】

VAR介入事例について、退場処分に当たるかどうかの見極めへの課題を説明

 日本サッカー協会(JFA)は7月1日にメディアを対象にした競技規則の周知を目的としたレフェリーブリーフィングを開き、JFA審判マネジャー(Jリーグ担当統括)の東城穣氏は今季のJ1第1節から第17節までのビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)介入事例について、退場処分に当たるかどうかの見極めに対する課題を説明した。

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 今季のスタートにあたり東城氏は開幕前に「タフなプレーとラフなプレーは見極めなければならない」と話していた。そのなかでVARを交えた判定について「VARが現場の判断を明確な間違いであるか、サポートできるものであるのかどうかの見極め。足の裏の使用、両足タックル、スピード。接触の位置など考慮すべきポイントを整理して同じ基準で判断できるようにしなければいけない」と話した。

 具体的な事例では、アビスパ福岡と浦和レッズのゲームでMFドウグラス・グローリーのタックルがイエローカードとされてVARの進言からの映像確認でも判定が変わらなかった場面、セレッソ大阪とジュビロ磐田のゲームでイエローカードと判定されたMF為田大貴のプレーがレッドカードになった場面といった適切な介入と判断があったものが挙げられた。

 一方で、ヴィッセル神戸と磐田のゲーム(J1リーグ第15節)で神戸のFW武藤嘉紀の背後から磐田MF鹿沼直生が飛びかかるようなスライディングタックルをした場面では、現場の判定がイエローカードだったものをVARはチェックしたもののオンフィールド・レビュー(OFR)を勧めることなくサポートした。

 東城氏はこの判定についてスライドを紹介。「後方からのチャレンジ」、「チャレンジに強さ、スピードがある」、「身体をコントロールできない状態」、「膝が伸びている(ストレートレッグ)」、「足裏を用いている」、「アキレス腱からふくらはぎ付近に接触」と要素を挙げたうえで、退場の可能性があるとしてOFRを勧めるべきだったとした。

 J1におけるVARの本格導入が2シーズン目に入り、当初話題を呼ぶことの多かったゴールチェックやオフサイドチェックは広く周知されつつある。今季はレッドカードチェックが1つ大きなテーマになっているが、審判委員会としてもその点を課題として認識して基準の統一を進めている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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