「森保監督は恩恵を受けた」 英国人記者、三笘薫が生み出す“相乗効果”の活用を推奨

三笘はかつての中島翔哉の代わりを務められる

 前半、日本が圧倒的にボールを支配していたにもかかわらず、オマーンのGKファイズ・アル・ラシディがセーブする機会はなかったのだ。

 大迫勇也はオマーンのディフェンスを相手に劣勢で、南野拓実も攻撃に絡めず、田中碧は遠藤航とともに低い位置でプレーしていた。そのため主に相手の脅威となっていたのは伊東純也で、時おり長友佑都がフルバックの位置から攻撃参加していた。

 日本にとってはまたもフラストレーションのたまる45分間だったが、三笘が解決策となれることを証明した。

 ピッチに立つと彼はたちまちボールを奪い、オマーンのディフェンスに向かって走り出した。彼はオマーンに大きな不安を与え、ディフェンスは彼のスピードと予測不可能な動きを恐れて前に出ようとしなかった。

 日本は個人的にも、時には集団的にも、才能に恵まれているが、特に久保建英がいないなかではその活発な一面が見られなくなっていた。三苫は日本が欠いていたその要素をチームにもたらし、結果として森保監督はその恩恵を受けた。トリッキーかつスピードの速いウイングとの対戦を好むディフェンダーはいないだろうし、三笘は相手の心に恐怖を植え付けられる。

 三笘は日本の得点のためにその能力を遺憾なく発揮した。伊東が楽々と押し込むだけのゴールを決められたのも、三笘のコントロールが素晴らしく、ラストパスが完璧だったからだ。

 三笘はかつて中島翔哉が担当していた左サイドの役割を担うことができるだろう。問題は森保監督が三笘を信頼するのか、それともオリンピックの時のように彼をベンチに置き続けるかどうかということだ。

 三笘はこれほど重要な試合で印象的なパフォーマンスを見せた。この事実は間違いなく、森保監督が年明けの中国戦でも彼を起用しなければならないことを意味しているだろう。

【読者アンケート】日本代表@オマーン戦

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(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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