元日本代表DFのベトナム戦布陣予想 新戦力抜擢「あり」とする唯一のポジションは?
【栗原勇蔵の目】落とせない一戦は「大迫ありき」の主力メインで起用か
日本代表は11月11日(日本時間21時)、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第5節でベトナム(FIFAランク98位)と対戦する。キャプテンのDF吉田麻也(サンプドリア)ら欧州組11人が乗ったチャーター機が遅延トラブルに遭い、練習合流が試合前日になるなど厳しい状況のなか、森保一監督はベトナム戦にどのようなメンバーを送り込むのか。W杯アジア最終予選の経験も持つ元日本代表DF栗原勇蔵氏に予想布陣を聞いた。(取材・構成=Football ZONE web編集部)
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森保ジャパンはカタールW杯アジア最終予選で初戦のオマーン戦(0-1)に敗れるなど、4試合を消化して2勝2敗のグループ4位。グループ最少の3得点と得点力不足が顕著で、苦しい戦いを強いられている。
11月シリーズのメンバーは、追加招集のMF堂安律(PSV)を含めて28名。海外初挑戦のベルギーで躍動するMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)、東京五輪にも出場したDF旗手玲央(川崎フロンターレ)が初選出となった。
FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)と堂安が怪我明け、DF酒井宏樹(浦和レッズ)も負傷で直近のリーグ戦を欠場するなど主力クラスに不安要素は多い。それでも、栗原氏は「今回、どんな顔ぶれを並べるかが見どころですが、追い込まれているからベストメンバーで行くと思います」と指摘。さまざまな意見が上がった大迫も最終的にスタメン、それに伴い、2列目の顔ぶれも決まってくるという。
「ベトナムに大差で勝てば、オマーン戦に勢いよく迎える。監督は何かあった時に、1回ベストの形に戻ろうという傾向があります。大迫は怪我明けでまだ万全ではないし、前田(大然)や上田(綺世)と面白いメンバーも呼んでいますけど、(W杯アジア2次予選での)格下相手の残像が残っている気もするので、最後は大迫ありきなのかなと。大迫を使うなら、2列目は伊東(純也)、鎌田(大地)、南野(拓実)、ボランチは遠藤(航)と田中碧になると思います」
栗原氏は、ベトナム相手でも「格下と言っている余裕はなく、得失点も絡んでくる」「変なギャンブルはしない」とし、守備陣はGK権田修一(清水エスパルス)、DF酒井、DF吉田、DF冨安健洋(アーセナル)とレギュラーを順当に予想。左サイドバック(SB)に関しては、トライしてみてもいいと話す。
「変えるとすれば、長友(佑都)の左SBくらい。旗手で攻撃的に行くものありだし、とりあえず長友で様子を見て、1点、2点ほしい時の攻撃の切り札として旗手を起用する可能性もありますね」
アウェーでの2連戦で勝利が求められる森保監督は、どのような采配を振るうのか。本大会への出場権獲得に向けて、重要な戦いとなるのは間違いない。
[プロフィール]
栗原勇蔵(くりはら・ゆうぞう)/1983年9月18日生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。
(FOOTBALL ZONE編集部)