代表招集拒否のプレミア勢 FIFAから該当選手に5日間の出場停止処分の可能性が浮上

プレミアリーグからはブラジル代表に9人が選出【写真:AP】
プレミアリーグからはブラジル代表に9人が選出【写真:AP】

ブラジル代表に招集された9選手などが英国に留まる

 インターナショナルマッチウィークが終わり、各国代表でプレーした選手たちは、それぞれの所属クラブに合流して、すぐに週末のリーグ戦に向けて準備を進める。しかし、プレミアリーグの複数クラブは、代表招集を拒否した選手たちを起用できるか不透明な状況にあるという。英公共放送「BBC」が報じている。

 英国政府は新型コロナウイルスの影響によって渡航が危険視される国を「レッドリスト」として指定。それらの地域から入国する者には、入国後10日間の隔離義務を課している。これに伴い、プレミアリーグは9月上旬に行われた各国のW杯予選に向けて、「レッドリスト」指定の国々への代表選手派遣を拒否した。

 当初、ブラジル代表には9人の選手がプレミアリーグから選ばれていた。リバプールのGKアリソン、MFファビーニョ、MFロベルト・フィルミーノ、マンチェスター・シティのGKエデルソン、FWガブリエル・ジェズス、チェルシーのDFチアゴ・シウバ、マンチェスター・ユナイテッドのMFフレッジ、リーズのFWラフィーニャ、エバートンのFWリシャルリソンだ。

 しかし、クラブは彼らの渡航を拒否し、英国内に留めた。選手が英国を離れて再び戻った際、10日間の隔離生活を余儀なくされ、試合に出場できなくなるからだ。だが、隔離生活を避けるために、代表の招集に応じなかった彼らだが、週末の試合に出場停止となる可能性があるようだ。記事では「FIFAは代表ウィークの招集に応じなかった選手に対して、5日間の出場停止を課すことができる」と伝えている。

 同じことは、それぞれチリ代表、メキシコ代表、パラグアイ代表に招集された選手の派遣を拒否したウォルバーハンプトン、ニューカッスル、ワトフォード、ブラックバーンにも起こりえるという。

 アストン・ビラとトッテナムは、それぞれ2選手の代表招集に応じたが、彼らは隔離生活に入るため、プレミアリーグの試合を1試合欠場することになる。しかし、代表招集に応じなかった選手たちは、まだFIFAから出場停止処分を受けるのか、伝えられていないという。

 欧州クラブ協会(ECA)のチャーリー・マーシャル氏は「この問題は24時間以内に解決されなければならない。リバプールや他のクラブは、所属するブラジル人選手が起用できるかどうかが分からない。FIFAはクラブに制裁を与えないなら、そのことも伝えなければならない」との声明を発表している。

 今回、リーズに所属するラフィーニャは、ブラジル代表に初めて招集された。しかし、クラブとの話し合いの末に英国に残ることを選択。リーズのアンドレア・ラドリザーニ会長は「私たちは彼を招いて話し合いを持ち、彼は『行かない』と決めた。初キャップを犠牲にしても、クラブとプレミアリーグに対して、最大限の敬意を示してくれた」と感謝の言葉を送った。

 コロナ禍という特殊な状況で代表活動後に日常的な活動が制限されるため、招集に応じられなかった選手たちに対して、FIFAは規約通りに5日間の出場停止処分を下すのだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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