日本代表、W杯最終予選の“懸念点”を闘莉王指摘 メンバー選考の「最大の疑問」とは?

闘莉王氏が日本代表の選出メンバーに提言【写真:ⓒJFA】
闘莉王氏が日本代表の選出メンバーに提言【写真:ⓒJFA】

オマーン戦を前に森保監督のメンバー選考に独自見解、田中碧の不在に疑問符

 カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の戦いがいよいよ幕を開ける。2010年南アフリカW杯に出場した元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏は、2日の初戦となるホーム・オマーン戦を前に「Football ZONE web」のインタビューに応じ、東京五輪で躍進の立役者となった司令塔の不在など、森保一監督のメンバー選考に対する不安を指摘している。

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 7大会連続出場をかけたW杯アジア最終予選。招集メンバーを見て気になったことがある。

 まずはGK。川島永嗣がいまだに選ばれ続けていることは凄いが、昔のエイジではない。下からの突き上げがない。谷晃生は東京五輪では頑張っていたけれど、A代表にはまだ早い印象がある。権田修一も伸びていない。明らかにタレントが不足している。Jリーグはここ数年、韓国人GKが多いけれど、その弊害が間違いなく出ている。良いチームは良いGKから始まる。ナラさん(楢﨑正剛)や(川口)能活さんがハイレベルで競い合っていた時代が続いていたけれど、今は日本の課題だと思う。

 あとはサイドバック。長友佑都の所属先は無所属。経験は十分だけれど、試合勘は大きな懸念材料になる。東京五輪でもそうだったが、今回のメンバーを見ても、左サイドバックに関する森保一監督のコンセプトがよく分からない。

 そして最大の疑問は、田中碧の不在。怪我が理由なら分かるが、どういう理由で外しているのか。ゲームを作れるタレントで、東京五輪でもスイッチャーになっていて、ゴールは彼を経由したものだった。もしも、柴崎岳が不調だったらどうするのか。この点も考えているのだろうか。

 東京五輪のメダルのかかった大一番のメキシコ戦で、遠藤航は散々だった。次のオマーン戦は初戦で、しかもホーム。絶対勝たなければいけない状況で、展開次第では潰し役のボランチをさばき役に代えたいシチュエーションも生まれると思う。ゴールが必要な状況で、田中と柴崎を組ませるという発想力がないとすれば、いただけない。

 アジアにおいて、日本は相手のキーマンを絶対に潰さないと勝っていけないという領域は現時点で超えていると思う。潰せるボランチがいないと……という不安は捨ててもいい。

 例えば、東京五輪のスペイン戦やメキシコ戦で潰し役の遠藤がいても、どれだけ相手にボールを回されたか。10回ボールを奪っても、11回失っていたら意味はない。結局マイナス。逆にボールを取られない選手、奪われる回数の少ない選手こそ素晴らしいという考えは監督の中にないのだろうか。

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