「想像していなかった」バルサとの別れ メッシ、涙の退団会見で溢れた”クラブ愛”

バルセロナ退団となったリオネル・メッシ【写真:AP】
バルセロナ退団となったリオネル・メッシ【写真:AP】

本拠地カンプ・ノウで退団会見、悲しみの中でクラブへの愛情を示す

 バルセロナは現地時間8日、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシの退団会見を実施した。冒頭で悲しみのあまり涙を流したメッシは、その後の挨拶でバルサへの思いを吐露。「これから先もこのクラブを愛し続ける」と語るなど、その言葉からはクラブ愛が溢れ出た。

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 メッシとバルセロナの間で交わされていた契約は2021年6月30日まで。その後、フリーエージェントとなったことで去就が注目されながらも、先月中旬に5年間の契約延長に口頭合意したと海外メディアが報じ、本人も会見で「家族、そして僕はここで続けて行くと確信していた」と明かした。

 しかしクラブは5日、リーガ・エスパニョーラが定めるサラリーキャップの条件を満たせないために退団すると発表。2億ユーロ(約260億円)も超過していると伝えられたバルセロナは、新戦力の登録ができない状況にあり、すでに契約の切れていたメッシは新戦力に該当するため、契約で合意しても、この金銭的な問題が解決しない限りは登録できなかった。

 クラブは現地時間8日正午から、本拠地カンプ・ノウで退団会見を実施。メッシは会見場に姿を見せたものの、悲しみに堪え切れず目に涙を浮かべると、記者席側の最前列に座っていた妻のアントネラさんから白いハンカチを手渡され、涙をぬぐった。その後の挨拶では「この数日何ができるか考えていた。本当のところ何も出てこなかった。今のようにブロック状態だった。ここで自分の人生のすべてを過ごしたあと、僕にとってこれはとても難しいこと。こうなることを準備していなかった」と、無念の思いを打ち明けた。

 クラブの経営状況が問題となり、バルサからの電撃退団というまさかの結末を迎えたメッシ。昨年、クラブ幹部らへの不信感からブロファックス(スペインの内容証明郵便)を通じてクラブに退団を申し入れたことが騒動になったが、2004年にプロデビューを飾ってから17年間を過ごしてきたクラブへの愛情は、会見で溢れ出た。

「僕はいつもこのクラブ、このユニホームのために全力を尽くした。最初から最後の日まで。人々の愛情に感謝する。できる事なら別の形でお別れしたかった。僕がお別れするなんて全く想像していなかったし、こうなる事も。できることならピッチで、満員のスタンドから最後の拍手を聴きながらだったら良かった。パンデミックで観衆がいないこと、ゴールのお祝いができないのを寂しく思う。僕は1年半彼らを見ることなくこのクラブを出て行く。改めてここでの全ての年月での愛情に感謝する。良い時も悪い時も過ごしたけど愛情はいつも一緒だと感じていた。これから先もこのクラブを愛し続ける」

 バルサ一筋のキャリアを過ごし、昨季までの17年間で公式戦778試合に出場。その間、672得点288アシストをマークした。「ここは私たちの家であり、子供たちと約束したのだから、何かの形で戻ってこないとは言えない」。幾多の栄光を味わった地からの別れを、メッシは最後まで惜しんでいた。

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