三笘が才能証明…なぜ「生かしきれなかった」のか メキシコ戦出場16人を金田喜稔が採点

メキシコに1-3完敗でメダル逃したU-24日本代表【写真:Getty Images】
メキシコに1-3完敗でメダル逃したU-24日本代表【写真:Getty Images】

メキシコに1-3完敗でメダル逃す、FW林は「点を取る部分でも価値を見出したかった」

 U-24日本代表は6日、東京五輪サッカー男子の3位決定戦でメキシコと対戦し、1968年大会以来の銅メダルを目指したものの1-3で敗れ、大会を4位で終えた。MF遠藤航が与えたPKにより前半13分に先制点を献上すると、同22分にFKから追加点を決められ前半を0-2で折り返す苦しい展開に。後半13分にまたもセットプレーから決定的な3点目を決められると、同33分に途中出場のMF三笘薫が1点を返したが1-3で完敗した。

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 2012年のロンドン五輪に続き、3位決定戦で敗れてメダルを逃す結果となった一戦を、識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した16選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点。今大会の躍進に大きく貢献しながら、この試合では序盤にPKを与え結果的に3失点に絡んだMF遠藤航を最低評価の「2」とした一方、途中出場から「別格の動き」で決定的なプレーを連発し、1ゴールを奪ったMF三笘薫に「4」を与えて称賛。五輪最後の試合で才能を証明したものの、大会を通じて輝きを放てなかったことを残念がった。

   ◇   ◇   ◇

<FW>
■林 大地(サガン鳥栖/→後半17分OUT)=★★★

 林自身は自らの持ち味をすべて出し切った。監督から求められた高い位置からの守備、攻撃時も幅広く動いて顔を出した。遠藤に落としたポストプレー、前半30分には鋭いターンからドリブルで前進してシュートを放った。懸命な姿を見ると1点を取らせてあげたかったというのが本音だが、ストライカーとして5試合に先発してノーゴールはやはり物足りない。点を取る部分でも価値を見出したかった。

<MF>
■相馬勇紀(名古屋グランパス/→ハーフタイムOUT)=★★★

 ボールを持てば仕掛ける意識は見せ、日本の攻撃のなかではアクセントになっていた。もっともメキシコも相馬のスピードは警戒しており、完全に崩すシーンは限られていた。前半25分には久保からのパスを受けて、カットインから右足を振り抜いたがシュートミス。守備面での貢献もあったが、ハーフタイムで交代となった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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