五輪サッカー男子「歴代優勝国」が興味深い W杯とは異なる“勢力図”と時代背景

U-23の大会になってからはアフリカ&中南米勢の優勝が続く

 W杯最多優勝を誇るブラジルは6位、スペイン8位、イタリア14位、ドイツ(西ドイツ)は21位でデンマークより下、アメリカやブルガリアと同じだ。

 1984年ロサンゼルス五輪からIOCがプロ解禁に踏み切り、プロ選手の出場に関してFIFAとIOCの駆け引きが始まる。1992年バルセロナ五輪からU-23代表となり、その後にオーバーエイジ枠が加わって現在に至っている。

 U-23の大会になってからは、ヨーロッパ勢で優勝したのはスペインだけ。ナイジェリア、カメルーン、アルゼンチン(2回)、メキシコ、ブラジルとアフリカと中南米勢の優勝が続いている。W杯と違ってヨーロッパが全然勝てない大会になっているのは興味深い。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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