スペインに「恐怖を与えた」選手は? 3人に“5つ星”、U-24日本代表を金田喜稔が採点

日本代表MF遠藤航【写真:Getty Images】
日本代表MF遠藤航【写真:Getty Images】

堂安の存在感は「チームに推進力を生み出す」

■久保建英(レアル・マドリード/→後半21分OUT)=★★★★★

 先制点のアシストは見事だった。マーカーを振り切る際の右手の使い方、相手をぶっちぎったドリブルの技術、最後のクロスは相馬を狙ったものだったかもしれないが、少ないチャンスで1点をもぎ取る形を堂安との2人のコンビネーションのなかで作ってくれた。そして何よりも、久保はチャレンジする積極性を称えたい。ペナルティーエリア手前で持った時、パスを出せる状況でもシュートを狙っていく姿勢を見せてくれた。スペインに警戒されているなかでも、相手に恐怖を与えている姿は見ていて本当に頼もしい。

■堂安 律(PSV/→ハーフタイムOUT)=★★★★★

 堂安自身が五輪に向けてコンディションを上げていることを、改めてゴールという形で証明。久保が抜け出したタイミングを見て迷うことなく中央に入り、左足で素晴らしいシュートを決めきった。チームとして耐え忍びながら、スペイン相手に1点を取れたことは非常に大きな財産になったはず。つなぎの部分でのミスや、組織としての守備面での課題はあるものの、チームに推進力を生み出す堂安の存在は大きいだけに自信を持って初戦を迎えてほしい。

■遠藤 航(シュツットガルト/→ハーフタイムOUT)=★★★★

 スペインとの力関係のなかで守備面に徹底せざるを得なかった。そのなかで特に序盤は相手に押し込まれ、チームとして後手を踏むシーンも作られた。もっとも遠藤自身のパフォーマンスが低かったわけではなく、チーム全体が攻勢に転じ始めた前半40分には、相馬からの横パスをワンタッチで林に通してチャンスを演出。金メダル候補のスペインと五輪直前に戦ったことで、守備陣として見えてきたものも多いはずだ。

■板倉 滉(フローニンゲン)=★★★★

 五輪で強豪と戦う試合を想定し、守備力の高い遠藤とのコンビは注目していたが、序盤はスペインにペースを握られたこともあり、相手を捕まえきれずにスペースを使われるシーンもあった。徐々に改善され、後半は田中とコンビを組み全体的には及第点の内容だった。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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