GKがドリブルで攻撃参加! 守護神の判断が光ったすみだU-18の電光石火のカウンター弾

すみだファルコンズGK松谷健吾【写真:Futsal X ・河合 拓】
すみだファルコンズGK松谷健吾【写真:Futsal X ・河合 拓】

エリア内でボールをキャッチしたすみだファルコンズGK松谷健吾が攻撃の起点となる

 フットサルは20メートル×40メートルのピッチで行われる室内競技だ。サッカーのペナルティーエリアは、16.5メートル×40.32メートルのため、ほぼペナルティーエリアの大きさのピッチで、10人の選手がゴールを競っていると思ってもらえば分かりやすいだろう。

 このサイズのピッチでプレーするため、攻守の切り替えの早さは得点や失点に直結してくる。Fリーグ・ディビジョン1に所属するフウガドールすみだは、チームのキーワードの一つに「切り替え0秒」を掲げてきた。これは、攻撃から守備、守備から攻撃の切り替えはもちろん、失点した際の気持ちの切り替え、ボールを持った選手が変わった際のプレーの切り替えなど、あらゆる切り替えを早くするという思いが込められた言葉だ。

 このフウガドールすみだの下部組織であり、U-18年代のチームであるフウガドールすみだファルコンズが、第8回全日本U-18フットサル選手権の関東予選でベスト4に勝ち進んだ。この大会は7月29日に開幕する全国大会に続いており、勝てば全国大会進出が決まる準決勝では、矢板中央高等学校と対戦した。

 矢板中央高等学校サッカー部のトップチームは、夏のインターハイ出場を決めており、今大会にはBチームの選手たちが出場。それでも、ボールを止める・蹴るといったフットボールスキルの高さ、フィジカルの強さを生かしてベスト4まで勝ち上がってきた。

 フットサルの専門チームが、普段サッカーに取り組んでいるチームと対戦する時には、セットプレーをはじめ、競技の特異性を生かしたいところだが、先制されたすみだファルコンズは、まさに、その形から同点ゴールを決めた。それは前半4分のこと。矢板中央の選手がコントロールしようとしたボールをキャッチした、すみだファルコンズGK松谷健吾は、前方にスペースがあり、自分の前に相手がいないことを確認。守備から攻撃にいち早く切り替えた味方のフィールドプレーヤーにパスを出さずに、ボールを転がすと自らドリブルを始めた。

 もし、この場面で松谷がパスを選択していても、すみだファルコンズは3対1のチャンスを作れただろう。しかし、ここで松谷がドリブルを選択したことで、すみだファルコンズは一時的に4対1の数的優位を作ることになった。そして、最後尾に残っていた選手がボールを奪いに来ると、松谷は左サイドを攻め上がったFP伊藤諄哉にパス。矢板中央GKが伊藤のシュートコースを消しにくると、伊藤は1タッチでセカンドポスト前にボールを入れる。そこに走り込んだFP綱島聖が、無人のゴールにシュートを決めて1-1に追いついた。矢板中央の選手たちも懸命にスプリントして戻ったものの、電光石火のカウンターを止めることはできなかった。

 このシーンのように素早い切り替えが求められるフットサル。そのU-18年代の関東王者を決める決勝に勝ち進んだのは、どちらのチームか。試合の映像をぜひチェックしてほしい。

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