手倉森監督が攻守に見えた”甘さ”に苦言 「後ろ向きなプレーは悪い方に転がる」

「練習ありき」のポゼッション

「いい形での崩しだったりはできましたけど、最後は(シュートを)打っていないんだよね。前半もそこが本当に強気でやれたのかという。『ボールを持てているから、いつか点が入る』じゃ取れないぞという話をした。自分たちはそうじゃないと思うかもしれないけど、やっぱり(外からは)そう見えた」

 日本はMF野津田岳人(新潟)のシュートがクロスバーを直撃するなど、ゴールまであと一歩というシーンもあった。しかし、したたかに2得点を奪ったパラグアイの前に屈している。手倉森監督は「これが真理なんですよね。インターナショナルのゲームの真理。それを今日学ばされた」と唸った。

 日本サッカーは長く「決定力不足」の問題を指摘されてきた。2000年代半ば頃からは、バルセロナやスペイン代表といったチームが相手よりもボールを圧倒的に支配するパスサッカーで成功を収めたことで、「ポゼッション」という言葉が独り歩きしている。ボールを保持することばかりに囚われ、シュートを打つという大前提が忘れ去られている。

 そうした傾向がリオ五輪を目指すチームにも、根付いてしまっているようだ。指揮官も「まずコンビネーションの方が先に頭にある。たしかにそういう練習はしているんだけど、パラグアイや南米の選手たちは最終ラインに1枚あれば、一人で行って交わしたら打つっていうようなシンプルさがある。だけどこっちは、たしかに練習していることなんだけどそれありき」と、消極的な姿勢に警鐘を鳴らしている。シュート意識の高いJリーグ3季連続得点王FW大久保嘉人(川崎)が、オーバーエイジで招集されると噂に上るのも、こうした背景も影響しているのだろうか。

 

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