5年総額159億円! マンU、ポグバに“プレミア最高給”提示へ、見え隠れする思惑とは?
【英国発ニュースの“深層”】EUROのプレーで好印象? マンUが仏代表MFの引き留め狙う
マンチェスター・ユナイテッドがフランス代表MFポール・ポグバに対し、5年間の総額で1億400万ポンド(約159億円)という超大型の新契約を提示することが明らかになった。
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英大衆紙「ザ・サン」が掲載した記事によると、現行の年俸1450万ポンド(約22億円)から2080万ポンド(約32億円)まで引き上げて、プレミアリーグの最高年俸選手にすることで、来季一杯で契約切れになるフランス代表MFの引き留めを狙うという。
しかし、今シーズンの折り返し時点では今夏の移籍が確実視されていた。欧州サッカー界では、クリスティアーノ・ロナウドの代理人ジョルジュ・メンデス氏と並び、“スーパー・エージェント”と称されるポグバの代理人ミノ・ライオラ氏が、昨年12月に「ポールはハッピーではない。ユナイテッドとの関係は終わった。(ポグバが)出ていくことが双方にとって最善だ」と発言。レアル・マドリードや古巣のユベントス、さらには母国フランス首都のパリ・サンジェルマン(PSG)等々、移籍先を推測する報道が世界のサッカーメディアを賑わせた。
ところが契約が1年未満となったところで、プレミア最高給提示の超破格オファーをユナイテッドが提示。これも現在、開催中の欧州選手権(EURO)でポグバが見せつけた“存在感”の余録といったところか。
2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)での活躍も大きな注目を浴びたが、フランス代表に戻るとポグバは本来の“怪物MFぶり”を存分に発揮。やる気になりさえすれば、そのフィジカルの強さと高いクオリティーのスキルを攻守で見せて、世界最高峰の選手であることを証明中だ。
とすれば、その市場価値も再上昇。今回の新契約提示には、もしもまた問題児に逆戻りして移籍という事態になったとしても、その前に新契約を結んでおけば“高額の移籍金が発生する”というユナイテッド側の思惑も見え隠れしている。
(森 昌利 / Masatoshi Mori)
森 昌利
もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。