歴史的圧勝で「最も驚かされた選手」は? 日本代表「モンゴル戦出場16人」を金田喜稔が採点

DF松原健(横浜F・マリノス)【写真:高橋 学】
DF松原健(横浜F・マリノス)【写真:高橋 学】

松原の周囲を活かすプレーは「実に心地良かった」

■小川諒也(FC東京)=★★★★

 韓国戦に途中出場して今回は先発フル出場のチャンスが与えられたが、モンゴル相手だったとはいえパフォーマンス自体は良かった。ボールをさばくタイミング、クロスの質、ゲームの作り方など左利きの左サイドバックとしてのバランスの良さは今後への期待を抱かせる。相手の両サイドにトップクラスの選手がいた時にどんな対応を見せてくれるのか、より強い相手との試合で見てみたい1人だ。

■冨安健洋(ボローニャ/→後半26分OUT)=★★★★

 相手との実力差が大きく守備面での仕事がほとんどないなか、センターバックとしての評価をつけるのが難しい試合となったが、最終ラインからのビルドアップでの安定感を改めて示した。左右両足でのキック精度が高く、サイドにつけるパスも効果的だった。

■吉田麻也(サンプドリア/→後半19分OUT)=★★★★

 冨安と同様、守備面での仕事は限りなく少ない試合だったが、前線との距離をコンパクトに保っているなかで積極的に鋭いパスを狙っていた。その一つが前半23分、吉田の縦パスから南野がスルーして大迫の1点につながったシーン。また大量点が生まれれば、チーム全体が緩くなりがちだが、キャプテンとして最終ラインからチャレンジする姿勢を貫き、引き締め続けた。

■松原 健(横浜F・マリノス)=★★★★★

 この試合で最も驚かされた選手であり、星を「6つ」付けてもいいくらいの素晴らしいパフォーマンスだった。相手との実力差があったとはいえ、A代表デビュー戦であれほどスムーズにポジションを取ってパスを供給し、周囲と連動できる選手がかつていただろうか。周りの選手を使うタイミング、ボールコントロールの精度の高さ、キックの種類と使い分ける判断が的確で、南野の先制点をアシストしたグラウンダーのクロスはもちろん、右サイドでコンビを組んだ伊東のスピードを生かしたスペースへの鋭いパスや、後半23分にエリア内での大迫のキープから稲垣がゴールを決めた場面でも、松原が相手DFを越えて落ちる柔らかいボールを供給している。攻撃陣それぞれのプレーの特徴を頭に叩き込み、それを存分に引き出すプレーは実に心地良かった。横浜F・マリノスでの活躍も光っているが、もっと代表でプレーする姿を見たい選手だ。

<GK>
■権田修一(清水エスパルス)=★★★★

 モンゴルにシュートを打たれるシーンがほとんどなかったものの、出場した代表戦で9戦連続完封という結果は見事。両サイドバックが経験の浅い2人となったなか、確実なプレーで後方からDF陣をサポートした。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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