「アルゼンチン超えの能力」と絶賛したのは? U-24日本代表、出場17人を金田喜稔が採点
中2日の再戦で3-0と快勝、林の先制点は「日本サッカーの“新たな教科書”になる」
東京五輪世代のU-24日本代表は29日、U-24アルゼンチン代表との国際親善試合2連戦の第2戦に臨み、3-0と勝利を収めた。26日に東京スタジアムで行われた第1戦に0-1で敗れていた日本は、南米予選1位の強豪との“再戦”で序盤から互角以上の戦いを披露。前半45分にFW林大地のゴールで先制すると、後半にもMF久保建英のCKからMF板倉滉が二度ヘディングシュートを叩き込み、3-0で完勝した。
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新型コロナウイルスの影響により様々な制限があるなかで行われたが、“金メダル候補”との再戦を識者はどのように見たのか。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表や年代別代表を見てきた金田喜稔氏が、この試合に出場した全17選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で評価した。
◇ ◇ ◇
<FW>
■林 大地(サガン鳥栖/→後半16分OUT)=★★★★★
ハードワークができ、前線からのプレッシャーも惜しみなくこなしたなかで、先制点のシーンで見せたファーストタッチは素晴らしいの一言。アシストをした瀬古とイメージを共有しパスを引き出したなかで、ファーストタッチ一つで相手の背後を取ることに成功した。そして軸足でタメを作って相手GKの体勢を見ながら低く抑えたシュートを放つことを選択しており、一連の動作が実に見事だった。過去に日本代表で、最終ラインからのシンプルなロングパス1本でFWが抜け出し、決めきった得点シーンがあっただろうか。日本サッカー界にとっての“新たな教科書”として、大きな1点だったと感じる。
<MF>
■相馬勇紀(名古屋グランパス/→後半43分OUT)=★★★★
前回の試合で途中出場から好パフォーマンスを見せ、先発のチャンスを掴んだ。この試合でもアルゼンチンの選手がついていけないくらいの瞬発性を見せており、東京五輪に向けて面白い存在であることを改めて示した。右のポストを叩いた後半6分のシュートは決めたかったが、守備への貢献も含めてサイドハーフとしての役目は果たした。逆サイドでもプレーできるだけに、個人的には後半途中から相馬を右に回し、三笘を早めに左サイドに入れてもう一度試してほしかった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。