“出遅れた”遠藤渓太、ドイツで浮上の兆し ウニオン監督も評価「確かな選択肢」

ウニオン・ベルリンのMF遠藤渓太【写真:Getty Images】
ウニオン・ベルリンのMF遠藤渓太【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】ケルン戦で今季2度目の先発、切れ味鋭い動きを披露

 ウニオン・ベルリンのMF遠藤渓太は、このまま出場機会を得ることなくブンデスリーガから去るのではないかという論調の記事や書き込みがあった。怪我での出遅れ、予想以上にチームが好調。様々な要因もあり、アピールしようにもなかなか出場機会を得ることができないまま、シーズンも終盤へと差しかかってきていた。

 そんな遠藤が13日に行われた第25節ケルン戦(2-1)で、今季2度目となるスタメン出場を果たした。第24節ビーレフェルト戦(0-0)で後半17分から出場し、2度の決定機に絡む動きを見せた遠藤を、ウルス・フィッシャー監督が「あの30分間でのプレーは本当に良かった」と高く評価し、「自陣深くに守りを固める相手に対しては1対1で勝負ができるケイタのような選手は確かな選択肢。誰を起用しようかと私が頭を悩ませ、決断しなければならないということはとても素晴らしいことだ」と、スタメン起用の可能性を示唆していた。

 ケルン戦では序盤から切れ味鋭い動きを見せると、前半6分に早速決定機を演出する。左サイドでタイミング良くパスを呼び込むと、ケルンDFと対峙しながら相手が足を出せないところにボールを上手く置き、ゴール前へグラウンダーのクロスを送った。同8分にも左サイドバックのDFユリアン・リエルソンからのパスで上手く抜け出し、そのまま左足ダイレクトで折り返してビッグチャンスを演出。どちらもFWピーター・ムサのダイレクトシュートは枠を捉えることはできなかったが、どちらも素晴らしいプレーだったのは間違いない。

 もちろん、ゴールやアシストという数字が付けば、いわゆる「結果」を残すことになるし、評価も印象もガラッと変わる。ビーレフェルト戦では2度の得点機があっただけに、ゴールを決めることができたらさらに良かったことは言うまでもない。ただ決定機につながるプレーをしているというのは、大きな成果として評価されるものだ。

 この試合ではサイドハーフではなく、3-3-2-2システムにおける左インサイドハーフで出場。攻守両面で連続的にアクションに絡んでいたのが印象的だった。プレッシャーへ行く動きに迷いがなく、前に出て当たり、すぐに下がってスペースを埋め、味方がボールを奪取するとすぐに動き直してパスコースを作る。そして味方からのパスがそこへしっかりと入ってきて、遠藤を経由してさらに攻撃がつながっていく。前線に出た時もボールのもらい方、スペースへの抜け出し方も悪くはない。チームとしての機能の中に遠藤という選手が噛み合っているということを証明できた意味は、とても大きいのではないだろうか。

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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