宿敵イラクに敗戦も4-3-3には光明 手倉森監督も「このシステムは何でもできる」と手応え

アンカー遠藤が語る課題「もっと…」

 韓国・仁川で開催中のアジア大会に参加しているU-21日本代表は17日、1次リーグ第2戦でイラクと対戦し、1-3で敗れた。その悔しい敗戦の中で、手倉森誠監督は今後につながる成長の糧を手に入れた。
 指揮官は試合後、宿敵に完敗したものの、初の国際大会でテストした、ハビエル・アギーレ監督が率いるA代表と同じ4-3-3システムへの手応えを口にした。
「システムには可能性を感じた。アンカーにおいた、(湘南DF遠藤)航の仕事ぶりはよかった。前からのブロッキング、チェイシングなど厚みがあった。フォーメーションがスムーズにいった。負けたから何を言ってもあれだけど、このシステムは何でもできるなと感じたシステムチェンジだった」
 初戦のクウェート戦は3バックシステムで臨んだが、この日は予てから準備してきた4-3-3システムに変更した。主力の広島MF野津田岳人をベンチスタートとし、浦和MF矢島慎也を先発起用するなど、メンバーを入れ替えた。後半、矢島に代えて野津田を投入し、試合中にシステムを4-4-2にシフトするなど、指揮官はアギーレ監督ばりの機敏な采配を見せた。
 A代表のアギーレ監督は、初陣となった5日と、9日の親善試合で本来DFの東京DF森重真人をアンカー役で起用した。手倉森監督も所属の湘南で3バックの一角を務める遠藤をその場所に置いた。試合後、その遠藤の口からは反省の言葉が並んだ。
「相手もワンタッチでマーカーをはがしてきたりして、ボールへのアプローチに行けなかった。もう一歩寄せたりしないといけなかった。4-3-3システムはバランス良くポジショニングができないといけない」
 遠藤は、A代表のサッカーをイメージしながら、アンカー役を務めていたという。チームの屋台骨を支える役回りに対し、今後の課題も見つけていた。
「チャンスはつくれていたが、相手はセットプレーから2点を奪った。あれだけフリーで打たせてはいけない。もっと早い守備、攻撃ができないといけない。A代表についてはイメージを持って見ていた。自分のところでもっと守備で奪えるようにしないといけない。そうすれば、ボールももっと回ってくるはず」
 この世代は、イラク相手に国際大会で3連敗という屈辱を味わった。新システムは、悔しい一敗を超えて成熟していくのだろうか。この日試した、アギーレお気に入りのシステム。その機能性が唯一の光明となっていた。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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