再び“希望の光”に―― 手倉森監督、震災から10年に馳せる東北人魂【#これから私は】

当時の様子を振り返った仙台の手倉森誠監督【※画像はスクリーンショットです】
当時の様子を振り返った仙台の手倉森誠監督【※画像はスクリーンショットです】

「サッカー界は社会貢献、心の復興への貢献をしていかなければいけない」

 今季は新戦力が計12人加わったが、シーズンに入るにあたっては、東日本大震災の現地状況を知らないメンバーに対して、手倉森監督自らがアクションを起こしたと明かす。

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「当時に掲げていた『希望の光になるんだ』というフレーズ、自分たちが躍進してみせた映像、復興のためにともに戦ってくれていたサポーターたちの映像を見せて、俺たちにはこういう役割があるんだと伝えました。今シーズンからベガルタに加わった選手に関しては、獲得の時にその役割を担う気がないのであれば、このクラブで仕事はできないという話もしています。震災から節目の10年、と至るところで言われています。その主役がベガルタ仙台なんだ、と。東北の皆さんは、当時のことを僕の監督復帰とともに思い起こしてくれるだろうから、あの時以上の覚悟を持って戦うシーズンにしないといけない」

 青森出身の手倉森監督は、コーチ時代を含めれば仙台で過ごす期間は10年を超え、宮城県は第2の故郷とも言うべき地。今こそ、改めて“東北人魂”を見せる時だと想いを込める。そして、震災を風化させず、その記憶と経験を継承していくために、サッカー界が取り組んでいかなければならないことは――。

「東北が震災から示すべきものは何か。そう考えた時に、東北人はよく粘り強さがあるとは言われましたけど、生きるうえでの逞しさ、どんな苦境からでも這い上がる根気強さを示すチャンス。今、こうして東北の地で仕事をさせてもらっているので、東北人の魂を全国に表現しないといけない。

 震災から節目の10年、さらに新型コロナウイルス禍で窮屈さを強いられている状況のなか、まだまだ復興に向けて懸命に戦っている人たちもいる。医療従事者を含めて、心の復興、心の健康に対して向き合わないといけない時期です。そういった方々の心に少しでも明るい希望を照らすのはスポーツ。我々Jリーグ、サッカー界は社会貢献、心の復興への貢献をしていかなければいけないと思います」

 手倉森監督の強い信念の下、仙台は再び「希望の光」になろうとしている。

※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
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(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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