オランダで減った「いらないファウル」 日本代表DF板倉の守備を現地解説者も称賛

尊敬する中村憲剛が引退「最後までかっこよすぎる」

 また川崎フロンターレ出身の板倉は、MF中村憲剛のことを非常にリスペクトしていることで知られている。その中村の引退記者会見から1週間が経った。

「寂しいです。憲剛さんに連絡しました。僕にとって小学校からのヒーローだった。僕がフロンターレに入ったのは小4の時ですが、その前からフロンターレサポーターとして憲剛さんを応援していました」

 10月31日の川崎対FC東京でプレーする中村を見て、板倉は「やっぱり上手いなあ。上手すぎでしょ!」と感じていた。

「それからの記者会見(11月1日)。なんの記者会見か分からなかったけれど、フロンターレがああやって記者会見を開くということは、憲剛さんが40歳になったことも知ってたし、『あれ? もしかして憲剛さん、引退!?』と思っちゃって、ともかく目覚ましを朝7時にセットして、YouTubeの会見を見たんですよ。

 僕がフロンターレを応援し始めた頃はJ2で、等々力はスカスカ。その頃から憲剛さんを見ていて、フロンターレは毎年J1で優勝を争うようなチームになったし、等々力は毎試合満員になった。それを作り上げたのは、僕は憲剛さんだと思ってます。それで、40歳の誕生日にゴールでしょ。最後までかっこよすぎる」

「憲剛さんのようなバンディエラになろう」と心に誓っていた板倉だったが、「早い段階で移籍して、もう3チーム目になってしまいました」とつぶやき、そして続けた。

「今でも憲剛さんがヒーローであることは変わりません。だから、すごい寂しいですよ。『また困った時には連絡しますから、相談させてください』と連絡しました。たぶん、これからもサッカーに関わってくれると思うし、フロンターレをさらに良くしてくれると思うので、それも楽しみといえば楽しみですね。だけど寂しいという気持ちが一番強いです。どこかでもう一回、憲剛さんとできるんじゃないかなあと思っちゃうんです。すごい寂しいですね。だから最後は、みんなにいい形で送り出してもらえることを願っています」

 今回、中村から「最後にまた、フロンターレに戻ってこいよ」と言われたという。

「そう言ってもらえたのはすごく嬉しいです。もしかしたら、そこでまた憲剛さんと一緒に仕事ができるかもしれませんし」

 そう言い終わると、板倉はフローニンゲンの選手バスへ急いでいった。
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(中田 徹 / Toru Nakata)



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中田 徹

なかた・とおる/1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグなどを現地取材、リポートしている。

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