周到な準備で浦和撃破の名波監督 強豪復活への”初勝利”も「不細工なシーンがたくさんあった」

志は高く「いい教訓になるゲーム」

 浦和に対する戦術的な対策、90分を通した戦略的な思考、そして最後はそれを実行するための精神力。その3点すべてに対して働きかけ、2000年前後に黄金期を築いた磐田復活への序章となる勝利を手にした。しかし、現役時代に日本サッカー史上でも稀代のレジスタでありパサーとして活躍した名波監督の目指すところは、まだまだ高いところにあるという。

「年間通してこれがやりたいサッカーではなく、不細工なシーンがたくさんあった。ボールロストの回数やイージーな動き出しのミスを減らさないと、浦和や強豪クラブに完勝はできない。志で言ったら一段目や二段目だが、いい教訓になるゲームだった。たかが1勝なのか、されど1勝なのか分からないが、ここからが我々のリスタート」

 昨季は1993年のワールドカップ・アジア最終予選を戦った広島の森保一監督、G大阪の長谷川健太監督、福岡の井原正巳監督といった“ドーハ組”の指揮官の活躍が話題になった。名波監督は、日本代表が初めてワールドカップに出場した98年フランス大会の10番だった。名選手が名将への道のりを歩んでいくなかに、黄金期を築いた古巣を率いる“フランス組”の名波監督も大きな存在感を放とうとしている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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