元フランス代表FW、苦難のレアル加入初日を回想 「悪夢の始まりに過ぎなかった」
「前日に買ったものが、次の日には新聞でさらされる」と異常な注目度に苦戦
元フランス代表FWニコラ・アネルカ氏は天才と謳われながらも、所属したすべてのクラブで活躍できたわけではない。20歳の時に加入したレアル・マドリードでは、初日から「悪夢が始まったと思った」と苦労を明かした。「NETFLIX」で公開されたドキュメント番組内でのコメントをスペイン紙「マルカ」が報じている。
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元フランス代表FWティエリ・アンリや元フランス代表FWダビド・トレゼゲといった優秀なアタッカーがいたなかでも、才能で言えば2人を上回っていたとされるアネルカ氏は、弱冠20歳でレアルに加入した。
1999年に移籍金2450万ユーロ(約30億6500万円)でアーセナルから加入したアネルカだったが、練習初日から自分の居場所を見つけられなかったという。
「記者会見を終えてから、ロッカールームに行ったんだ。席に着いたら、ある選手が来て『そこ俺の席だよ』と言われた。それで『ごめんなさい。ここは座っていいですか?』と言ったら、他の選手が来て『そこは俺の席だ』と言うんだ。そんなことが20回も続いたよ。『自分はここで何をしているんだ? 邪魔者扱いされるぞ』と思ったね。でも、その日の出来事は悪夢の始まりに過ぎなかったよ」
鳴り物入りでレアルに加入したアネルカだったが、最初の5カ月間はリーガ・エスパニョーラで無得点となり、メディアからも叩かれた。当時を振り返って「毎日、メディアに叩かれた。プライベートもなかったね。僕にできることはなかった。まだ20歳なのに、道も歩けない。すべての行動について、コメントされるんだ。買ったものすべてが、次の日には新聞でさらされる」と、当時の苦悩を語った。
レアルでは、クラブ8度目のUEFAチャンピオンズリーグ制覇に貢献したが、決して良い時間を過ごせたとは言い難い。アネルカ自身も「レアルでプレーするためには、犠牲が必要なんだ。でも、当時の僕はそれを理解するには若過ぎた。言うべきではない、やるべきではないことをしたと思う。若かったからね。早過ぎたんだよ」と、振り返った。
世界的ビッグクラブでプレーすることで集まる多くの注目を、どう受け流せるかも、成功できるかどうかを大きく左右するのかもしれない。
(FOOTBALL ZONE編集部)