サッカー史に残る「世紀の誤審トップ10」 伊メディアが選ぶ1位は日韓W杯!?

“神の手”と”クロスチョップ”の苦い記憶

  2位は、サッカー史に名を残す天才の手がランクインした。1986年のメキシコワールドカップで、アルゼンチン代表のMFディエゴ・マラドーナは、ゴール前に浮いたこぼれ球に対して飛び込むと、相手GKの目前で手を使ってゴールにボールを押し込んだ。しかし、主審はこれを見逃しゴールと判定した。現代に至るまで“神の手”という言葉が残ることになった、歴史的な1プレーだった。

 そして1位は、自国のリーグ戦で歴史に残ったPKの誤審を取り上げた。1997-98シーズンのインテル対ユベントスの一戦で、インテルのFWロナウドが左サイドから中央にドリブルを仕掛けたところ、ユベントスDFマルク・ユリアーノはボールを全く見ずにロナウドの体に突進。まるでクロスチョップを見舞うようにロナウドを押し倒したが、ノーファウルの判定となった。数ある誤審のなかで、このプレーをトップに持ってくるあたりはイタリアの情報サイトらしさと言えるのだろうか。

 ユリアーノ氏は引退後に受けたイタリア紙「コリエレ・デロ・スポルト」のインタビューに対し、「僕にサッカーの話をする人は、必ずあのロナウドを倒した場面のことを言うんだ。他にも、いろいろと良いプレーもしたはずなんだけど」と答えている。結果的にこのインテル戦に勝利したことで、ユベントスはリーグ優勝の栄冠を手にしたが、ユリアーノ氏にとってあのPKを取られた方が良かったのか、ノーファウルの判定が良かったのかは、なんとも言えない状況にあったようだ。

 このランキングを見れば、世紀の誤審と言われるものはPKの判定とゴールラインを割ったかどうかの判定に集中している。現在はゴールラインテクノロジーや追加副審の導入により、ラインを割ったかどうかの判定は極めて高い精度で行われている。しかし、人間の目で判定する以上、こうしたミスジャッジは常に起こり得る。それもまたサッカーの一部ではあるが、当事者たちにとっては苦い記憶として残り続けてしまうのだろう。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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